2022年7月22日 (金)

冨岡『世界』を読む会・7月例会の報告

 富岡『世界』を読む会・7月例会は、7月20日午前、5人の参加で開催されました。
 今月のテーマは、『世界』7月号から藤原帰一『抑止とその限界』とユルゲン・ハーバーマス『戦争と憤激』の二つの論文でした。ともにロシアのウクライナ侵攻に関する論考でした。

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2022年6月18日 (土)

冨岡『世界』を読む会・6月例会の報告

 富岡『世界』を読む会・6月例会は、6月15日6人の参加で開かれました。
 テーマとしては、日本のデジタル改革に関する二つの論文(若江雅子『デジタル日本 その政策形成における課題』、内田聖子『デジタルデモクラシー 第6回 監視広告を駆逐せよ』)と特集2「批判的野党がなぜ必要か」から杉田敦×齋藤純一対談『リベラル政党の「可能性」と「不可能性」』を取り上げました。

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2022年5月28日 (土)

富岡『世界』を読む会・5月例会の報告

 富岡『世界』を読む会・5月例会が5月25日(水)、5人が参加して開催されました。
 今月の課題は『世界』5月号から、緊急特集「ウクライナ」の塩川伸明『ウクライナ侵攻の歴史文脈と政治論理』および西谷修『新たな「正義の戦争」のリアリティーショー』の二つの論考と、特集2「憲法の現在地」の大門正克『生きる現場からの憲法 第1回―夜間中学の学びと東アジアの歴史』でした。

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2022年4月29日 (金)

ウクライナとロシアの歴史

 ロシアによるウクライナ侵攻についての『世界』4,5月号論文についての読書会で、参考資料として提出した「ウクライナとロシアの歴史」をアップします。主として『世界』論文を参考にしながら、その他でも得た知識を年表に書き入れたが、その引用については記入していない。あくまでも、読書会の参考資料として作成した。(年表は jpeg でアップしているので、画面上でクリックしてください)

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2022年4月23日 (土)

富岡『世界』を読む会・4月例会の報告

 富岡『世界」を読む会・4月例会は、20日(水)午前、5人の参加で開催された。
 今回のテーマは、『世界』4月号の特集「中国とどう向き合うか」の中から、高原明生『日中関係の現在地と方向性』、丸川哲史『米中対立と東アジア冷戦』の2論文と、河野洋平『外交の知恵を尽くせ』のインタビュー記事の計3本だった。

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2022年3月18日 (金)

冨岡『世界』を読む会・3月例会より

 富岡『世界』を読む会・3月例会は、3月16日、5人の参加で開催された。
 今回のテーマは、『世界』3月号から青木理『町工場VS公安警察』と渡辺豪『沖縄・半世紀の群像 第1回-川平朝清』の二つの論考。前者は、公安警察による町工場冤罪事件を克明に描き、今週の国会で審議が始まったばかりの「経済安保法案」の裏側で進行していることを描き出した労作だ。また後者は、戦後沖縄の体制内にいた人物の目を通してみた本土「日本人の沖縄観」を浮き彫りにしたもの。どちらも平易な文章で具体的な事象が説得的に描かれ、参加者一同に好印象をもたれた。

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2022年2月27日 (日)

歴史の忘却に抗う人びと―ドイツ・つまずきの石のこと―

 ベルリン在住のフリーライター・中村真人氏は、1947年生まれのドイツ人彫刻家グンタ―・デムニッヒ氏の『つまずきの石』プロジェクトについての取材記事を、『世界』2022/1,2月号に連載している。つまずきの石Stolpersteinは、コンクリート製の立方体に10㎝四方の真鍮のプレートを貼り付け、そこにナチス・ドイツの犠牲者の名前、生年、強制輸送、そして殺害された日付や場所が刻まれている。中村氏によれば、このプロジェクトがベルリンで本格的に開始されたのは2000年で、現在市内に9211個(2021/11)設置されている。また、プロジェクトはドイツにとどまらず、ヨーロッパ27か国約8万個(2021/9)にまで拡大している。公的援助はなく、1個120ユーロ払えばだれでも石の「保護者」になれる。
 
 まず、つまずきの石の実物を、私が2019年7月にドイツ旅行した時に撮ったベルリン市街地の1個、ハーメルン旧市街地の18個、計19個の写真を掲示する。
私のこの石との出会いは、ベルリンやハーメルンの街なかを散策していた時、偶然見つけたものだ。

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2022年2月18日 (金)

富岡『世界』を読む会・2月例会より

 富岡『世界』を読む会・2月例会は、2月16日、6人が参加して開催された。
 テーマは、『世界』2月号の「特集1.クルマの社会的費用」から、ダニエル・リード『Fun to Drive?―トヨタと気候変動』、飯田哲也『テスラ・ショック-モビリティ大変革と持続可能性』および鶴原吉郎『電動化が引き起こす自動車産業の「解体」と「再構築」』の三つの論考、そして「特集2.日本司法の"独自進化"」から須網隆夫『取り残される日本の司法』とディミトリ・ヴァンオーヴェルベーク『日本の法曹養成制度は社会の変化に対応できているか』の二つの論考、合計5論考を取り上げ、話し合った。二つの特集ともに専門性が高く、テクニカル・タームを丁寧に読み解きながらの読書となった。

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2022年1月21日 (金)

冨岡『世界』を読む会・1月例会より

 富岡『世界』を読む会・1月例会は1月19日、5人が参加して開かれた。
 テーマは『世界』1月号から、「特集1.ケア - 人を支え、社会を変える」の岡野八代『ケア/ジェンダー/民主主義』と村上靖彦『ケアから社会を組み立てる』の2論考、そして「特集2.気候危機と民主主義-COP26からの出発」の飯田哲也『複合危機とエネルギーの未來』と小西雅子『COP26はどこまで到達したか?』の2論考、計4つの論考を対象に意見交換した。

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2022年1月10日 (月)

日本の空はアメリカの空

 爆弾のようにタンクを捨てるとは日本の空はアメリカの空  (長野市) 関 龍夫 (1/9の朝日歌壇)

 日米安保70年の昨年、『世界』は二つの興味深い論文を掲載した。

 一つは、古関彰一稿『戦後日本の主権と領土』(9月号)。古関は、2016年の陸上自衛隊『日米共同部』設立によって、米軍と自衛隊が一線を越えて一体化し、自衛隊が米軍の指揮下に入る可能性を指摘した。何故なら、自衛隊設置の日米交渉時の「密約」が、現在も生き続けていると考えるからだ。日本政府は当初、日本の軍事力が米国の指揮下にはいることを拒絶したのだが、その後、吉田首相は米国から執拗に迫られ、自衛隊が米軍指揮下に入ることを密約させられたのだ(米軍公文書)。このことは、日本の主権喪失と対米従属を意味する。「日本政府はあの屈辱的な日米地位協定を60年間改正する気配すらなく、米国政府は日本政府には独立意識がきわめて希薄であることを十分知り尽くしている」と、日米同盟の内実を厳しく突いた。

 もう一つの論文は、豊下楢彦稿『日米安保70年の本質-外務省は何を隠蔽したのか』(10月号)。豊下は、公開された公文書『平和条約締結調書』に基づき、安保条約交渉時の米軍基地提供問題に関する吉田首相と昭和天皇の対立を取り上げた。米側の主張の核心は「全土基地化・自由使用(望むだけの軍隊を、望む場所に、望む期間だけ駐留させる権利の獲得)」であったが、吉田は米側要求が「主権侵害」にあたるとして消極的であった。しかし天皇は、「無条件での基地提供」が天皇制防御の生命線だとして、米国の要求に全面的に同意したのである。筆者は、昭和天皇にとって戦後の「国体」は安保体制そのものであった、と指摘する。その後の米軍基地問題のすべてが、ここを出発点とするといえる。天皇の対米交渉への露骨な介入は、明らかに憲法違反であった。

 日本は「主権」を自ら放棄し、米国に従属する「属国」となったのである。こうした歴史を振り返るならば、「日本の空はアメリカの空」だと歌人が嘆息するのも、頷ける。米軍人たちの検疫逃れもまた、これに起因する。

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