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2005年12月 1日 (木)

日露戦争と軍人木像

 群馬県藤岡市の龍源寺に、162体の素朴な軍人木像が、安置されています。各木像には、出身地や氏名が記され、顔は個性的です。高さ60センチの立像は、たいてい直立不動の姿勢を保っていますが、なかにはポケットに手を突っ込んだり両腕を組んだりしたものがおり、おかしく、眼をひきます。日露戦争での、当地周辺の戦死者の慰霊を目的に、有志によって彫られたものです。

 この戦争での県下の戦士者数は、1130人だったそうです。司馬遼太郎によれば、高崎の連帯は応召の老兵ぞろいで、潰乱敗走した乃木軍部隊のひとつだったとのこと。敗走のなか戦死していった老兵たちの木像なのでしょうか。

 いま「戦死」という言葉が、歴史の語彙の中から飛び出してきそうな気配です。無念の内に死んでいった人々の思いのうえに、私たちの憲法9条があることを、改めて考えています。

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