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2006年8月12日 (土)

議事堂と棺の絵

盛岡市の県立美術館で、松本竣介『議事堂のある風景』を観ました。議事堂の前を、ひとりの男が、棺を積んだ大八車を引きながら、通り過ぎていきます。議事堂の左側には、煙突から黒い煙を吐き出している工場地帯が、広がっています。政治と暮らしが、向き合っている図です。棺は、議事堂から工場地帯へ、つまり、政治から暮らしへと向かっている、と読めます。棺の中の遺体は、この男の父親だろうか、あるいは息子だろうか。それとも、政治そのものの死なのかもしれません。1942年制作の作品ですが、既に日中戦争は10年以上がたち、そして、太平洋戦争に突入した時期です。若い画家の、苦悩の表現が、画面に滲み出ています。

2006年8月 6日 (日)

ゆったりとした絵

東京国立博物館の「若冲と江戸絵画展」に行ってきました。長沢芦雪「白像黒牛図屏風」に、強く惹かれました。
大きな白像と黒牛が、ゆったりと寝そべりながら、なにかを語り合っています。過ぎ去った日々のことや遠い故郷のことでしょうか。あるいは、自然の悠久さと宇宙の永遠性について、二人して哲学しているのかもしれません。白像の背中には、2羽のカラスがとまっており、こちらは、悪戯ごとを相談しているようです。のんびりした像や牛の眼とくらべ、カラスの眼は、いままさに悪さをし掛けようと、生き生きとしています。黒牛の足もとには、白い子犬が、女すわりをしています。この子も、大変小さいながらも、黒牛たちに負けないほどに、のんびりしています。私の、好きな絵の一枚に、加えます。

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