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2007年2月11日 (日)

春祈祷

 今日2月11日は、毎年恒例の春祈祷の日。9戸からなる隣り組の、年一回の総会のようなもの。昼前に町の焼肉屋に集まり、新年度の組の役員(輪番制)を決めるとともに、組内の約束事を確認しあいました。役員は、班長・衛生・農事の3つ。決め事は、主にお金に関わること。冠婚葬祭は、戸当たり5,000円、見舞い2,000円、出産祝い3,000円、そして年間3回の区全体(約50戸)での道路清掃不参加の場合の1,000円の拠出、等が、これまでと同様に確認されました。
 こうした決め事は15分もすれば済んでしまい、あとは酒を飲みつつ焼肉を頬張りました。お酒を飲むのは、集まった14人のうち男6人だけ。酒量もさほど多くなく、地味な会合でしたが、話題は昔の村の行事、それもこの2月に集中していた行事について、女性たちが語りました。

 私は、この「春祈祷」という言葉は、当地に来て初めて知ったのですが、もとは地区の家内安全・五穀豊穣を祈念する神事であつたようですが、今は当地では、宗教色はまったくありません。グーグルで検索すると、宮城県南三陸町の「波伝谷の春祈祷・獅子舞」が紹介されています。獅子舞が各戸を訪ねていくと、「家主は必ず豆腐を一丁用意しておき、獅子はこれを噛んで吐き出し酒で清める」とあります。そういえば、18年前に当地に引っ越してきて初めて春祈祷に参加したとき、隣家の座敷で、大きく硬い豆腐一丁だけ(見てびっくりした記憶があります)をつまみに、お酒をよばれたことを思い出します。関係あるのかないのか。この頃までは、組の各戸持ち回りの班長の家が「宿」となつて、春祈祷をしたということです。私が来た頃から、しばらくは今日のように、町の焼肉屋で男(戸主)だけが集まっていたのですが、そのうち近場の温泉などで夫婦での参加になりました。
 春祈祷が男衆だけの集まりだったとすれば、女衆は、「二十二夜様」という集いを持っていました。60代の隣家の奥さんによると、嫁に来た当初はしばらく参加していたけれど、そのうちに無くなってしまった、ということです。二十二夜様とは、女性の守り本尊の如意輪観音を指すようですが、こちらは仏事です。ただの寄り合いのような話でしたが、みんなで御詠歌を歌っていたのかもしれません。
 2月にはこの他に、馬頭観音講や天神講があり、男も女も、神様も仏様も、大人も子どもも、みんなにとって楽しく多忙な、農閑期の村の行事であったようです。
 昔の行事に話の花が咲いたのを切っ掛けに、徳利3本目も空きすっかりいい気分となったものですから、私から村行事復活の提案をしました。そういえば皆さんは、「村」とか「部落」とはいわずに、「集落」とか「組」と自称していますが。
 新行事その1。5月の連休、新茶を楽しむ会。協議の結果、新茶と同時に、手打ち蕎麦も楽しむことが決定。さい先良好。
 新行事その2。7月の梅雨明け、3輪バイク゛でのシニア暴走族ごっこ。組内に住むバイク屋さんから3輪バイク10台ばかりの提供を受け、みんなで時速30キロで爆走。88歳をトップに、ジージやバーバの暴走族ってカッコイイ、と思ったのですが、この提案は、残念ながら却下されました。
 新行事その3。11月農作業終了後、芋煮会。こちらは、皆さん大賛成。
 そして、幹事に私が選ばれ(ひとり立候補したのです)、酔いが醒めた現在も、その気でいますので、これはきっと実現します。

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