茶摘みは最盛期へ
静岡の島田市とその周辺の茶畑を見てきました。5,000ヘクタールといった広大な茶園面積を誇る、県内最大の茶産地「牧の原」の一角にあり、比較的収穫期の早い地区です。萌芽し一芯三葉程度に成長した茶葉は、鮮やかな萌黄色に輝いていました。
今年は、4月上旬の降霜の影響が懸念されましたが、晩霜の常襲地帯で軽い被害があった程度で、全体の作柄に影響するほどではなかったようです。
今日から連休に入ることもあり、一家そろっての茶摘み風景が、あちこちで見られました。こどもたちも、手伝っていました。手摘みをしている畑が1ケ所だけありましたが、これは例外で、ほとんどが機械摘みです。夫婦向い合って携帯用の摘採機で摘む姿が、最も普及しているようです。これだと、山間地の茶畑(静岡では70%が斜面)でも、使うことができます。摘み取る前の萌黄色と摘み取った後の緑色のコントラストが、鮮やかです。
最近は、乗用型の茶摘採機も普及し始めており、ここ牧の原のようなフラットな茶畑では、威力を発揮しています。鹿児島などの比較的新しい産地では、基盤整備も進み、農家の耕作面積とともに一枚当たりの畑の面積も広いため、この乗用型茶摘採機の活躍によって、労働生産性が格段に優位となっています。生産性の低さが、静岡県の最大の悩みです。
畑のあちこちに、防霜ファンが林立しています。今年の4月4日には、大活躍でした。 牧の原周辺では、4月の摘み初めから八十八夜(今年は5月2日)の頃までに摘採された茶葉が、もっとも高級な新茶となります。まろやかな旨味は、なんともいえません。日本茶喫茶店で新茶をいただき、至福のひと時を過ごすことができました。
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