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2007年5月13日 (日)

新茶とお蕎麦の集い

 昨夕、ご近所の皆さんに声をかけて、「新茶とお蕎麦の集い」を催しました。ことしの春祈祷(隣り組の年総会)のとき提案して、皆さんの賛成を得たもの。会場は、お隣の農家の離れ。ここは、自家栽培の蕎麦と小麦の地粉を使った手打ち蕎麦やうどんを食べることの出来る、予約専門の村内唯一の食堂「農家茶屋」。夕方の5時前後から集まり始め、みんなで11人の参加でした。
 各地の新茶の飲み比べを楽しんだり、「農家茶屋」主人特製の手打ち蕎麦に舌鼓を打ちながら、あれこれ語らっての3時間ほどが、あっという間に経ちました。

 まずは、みんなで新茶を愉しみました。準備された4種の新茶を、順番に飲んでいきます。①宇治・雁がね ②鹿児島知覧・普通蒸し煎茶 ③静岡川根・普通蒸し煎茶 ④静岡牧の原・深蒸し煎茶の4種類です。最初の雁がねを飲んだとき、皆さんは微妙な反応を示しました。玉露やかぶせ茶に、余りなじみのない地域のせいか、あの甘ったるさには、いささか閉口した感じ。「これって、お茶?」といったところ。茶を淹れた私への遠慮から、おいしいとも何ともいえない「微妙な反応」になったようです。知覧・川根と飲むうちに、「お茶はやっぱり、こうでなくっちゃ」との表情がありありとなります。そして、最後に牧の原・深蒸し茶に至り、今宵の茶人たち一様に、「これっ!」と相成りました。やはり煎茶は、旨み・渋み・苦味が、適当に合わさっていてはじめて、美味しいのです。
 後半は、地元産(というより、そこの畑でとれた)蕎麦を賞味しました。去年の10月ころ、白い花を楽しませてくれた蕎麦たちです。茶屋主人の話では、10アール当たり約80kgの収量とのこと。しかも、年次豊凶差が大きい。でも、この茶屋で出す蕎麦は、100%自給しているとのこと。蕎麦には野菜のてんぷらが添えられていましたが、これもみな、自家製。今日の席の材料は、茶を除きみんな、恐らく半径100メートル圏内でとれたものです。何かしら、体の中に、幸福感が満ちてきます。
 美味しい新茶やお蕎麦をよばれて、話が弾みました。
 話題の中心は、村に徘徊するケモノタチのこと。猿に出会った人は、私以外にも1人いました。いのししは、ほぼ全員出会っているようです。隣家の長老が、さといもの種を土中保管していたところ、そっくり食べられてしまったとのこと。そんな人がいるから、いのししがのさばるんだ、と難詰する声が直ぐに上がります。皆さんの話では、いのししは集落の家周りに、徘徊しているようです。しかも「あいつが」と名指しされる、固有のいのししのようです。狐は、鶏をねらってます。茶屋主人の飼っている鶏が、よく被害にあう。そこで、虎バサミを仕掛けたところ、見事に引っかかった。しかし、あの哀願するような眼を見ると、可愛そうで・・・・・。「ところで狐に騙されるってのは、本当かね?」と問うたのは、野菜作り農家のかあちゃん。ひとが雪道で迷うのは狐のせいだ、と主張します。○○ちゃんと□□ちゃんは、どうも引っかかったようだよ、と真剣です。「どこの話。このあたりじゃ、ろくに雪も降らんじゃないか」と混ぜっ返してたのは、誰だったっけ・・・・・。

 茶に酔い、蕎麦に酔い、そして話に酔った3時間でした。
 

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