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2007年6月24日 (日)

映画『ピエロの赤い鼻』

  ドイツ軍占領下のとあるフランスの村。独軍キャンプの敷地にある大きな穴の中には、4人の村の男たちが捕虜となっています。鉄道施設爆破の犯人の身代わりに、4人の村人が捕らえられているのです。犯人が自首してこなければ、明日、男たちは銃殺されます。冷たい雨は男たちを濡らし、その顔も手も足も、どろどろの粘土で、汚れ切っています。死への恐怖と不安が、4人を襲います。そして、醜い仲違いが、始まります。
 ひとりのドイツ兵が、穴のうえに現われました。すると、穴まわりを歩きながら、何やら奇妙なことを始めました。おかしなの仕草です。最初、信じられない面持ちだった男たちは、ドイツ兵のピエロに、大笑いです。再びやってきたドイツ兵は、パンや果物を投げ入れます。パリの小屋でピエロを演じていたことを告白します。死の恐怖とユーモア。
 犯人は現われませんでした。4人の銃殺が決まります。ドイツ人将校が、兵士たちに穴の底の男たちの銃殺を命じます。一人の兵士が、それを拒否しました。銃を足下に投げ出し、ひょいと赤い鼻をつけて将校に向かい、にこりと笑った瞬間、ピストルで射殺されました。ピエロの赤い鼻が、穴の中に転がり落ちます。

 DVDで、ジャン・ベッケル監督作品『ピエロの赤い鼻』をみました。上記場面は、この映画の、もっとも恐ろしくそしてもっともユーモラスなシーンです。「笑いは最強の武器だ」という画面最初の言葉は、この映画を見終わった今も、心に深く残っています。私にとって、大切な映画が、一つ増えました。

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