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2007年6月30日 (土)

パルマ美術展

 上野公園・国立西洋美術館で『パルマ-イタリア、もう一つの都』を観てきました。
 16・17世紀、イタリア北中部のパルマで活躍した画家たちの作品を紹介した展覧会です。15,16世紀にフィレンツェ、ヴェネツィア、ローマで大きく花開いたルネサンスは、ここパルマの画家たちにも、決定的な影響を与えました。しかしパルマの画家たちは、ルネサンス絵画の自然・調和・明快・古典といったコンセプトとは違った、独自の画風を追求しました。曲がりくねったり引き伸ばされたりした人体表現を特徴とするマニエリスムといわれる潮流です。今回のパルマ展では、主にこのマニエリスムの画家たちの作品が、展示されています。このマニエリスムは、17、18世紀にヨーロッパ各地を席巻するバロック絵画に、深く影響を与えたとされてします。
  印象に残った作品を2点、紹介します。

Photo_2

 コレッジョ (1489-1534)作『十字架降下』(1524-26)。
十字架から降ろされたキリストの遺骸を抱きしめ、聖母マリアは、悲しみのあまり気を失ったのでしょうか。右側のマグダラのマリアは、小さく声をあげて泣き崩れようとしています。絶望的な悲劇のシーンのうしろで、キリストを十字架から降ろした男が、手に釘抜きのような道具をもって、梯子から降りてきます。この男のもつ日常性が、聖母マリアたちの悲しみを、一層引き立てているようです。 
 
 
Photo_4 バルトロメオ・スケドーニ(1578-1615)作『墓を訪れる3人のマリア』(1613)。白い衣を着た天使は言います。「恐れるな・・・イエスはここにはいない。彼は、自分で言ったとおり、起こされたからである・・・マリアたちは・・・恐れと大きな喜びをもって・・・」(聖書マタイ伝から)。テーマの分かり易さと、衣服のシャープな折れ目と光と影の陰影とが織り成す独特の雰囲気に、思わず眼を奪われました。きょうの「一枚の絵」は、このスケドーニの作品とします。

  

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コメント

はじめましてクリスチャンの方ですか?

詳しいですね

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