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2007年7月11日 (水)

参議院議員選挙公示

  明日7月12日、参議院議員選挙が公示されます。今回の選挙に対する考えを整理しておきたいと思います。
  前回引用したヴァイツゼッカー演説の思想的な背景を解説した論文に、物理学者・哲学者である兄のカール・フリードリッヒの話が出てきます。外交官だったこの兄弟の父は、戦後ニュルンベルク裁判で5年の刑を宣告されたのですが、その父について兄カールが語っています。「父は、他の多くの仲間と同じように、ヒトラーを過小評価するという失敗を犯したのです。こんなに非理性的で良心をもたないイカサマ師が長続きする筈はない、と彼は考えたのでした。」(村上伸稿「ヴァイツゼッカー演説のいくつかの背景」『荒れ野の40年』岩波ブックレット '86所収)
  わたしは、今回の参院選について、この引用文を熟読することから考えはじめます。

 私は、安倍首相とその内閣は、国民の生活を省みることなく、稚拙な外交を繰り返し、歴史を歪曲して恥じない「非理性的で良心をもたないイカサマ師」内閣だと考えています。このことは、この内閣発足後10ヶ月の間に、国民の前に遺憾なく発揮されてきました。そして、選挙直前になった今月に入ってからも、防衛大臣の原爆投下「しょうがない」発言、農水大臣の事務所経費問題など、止まるところを知りません。今後も更に、いろいろと問題が噴出してくるのではないかと予測されます。そこで、「安倍内閣もこれで終わりだなあ」との妙な安心感が、正直私の胸のうちにわいてくることを、白状せざるを得ません。こうした時、上記のヴァイツゼッカーの父親に関する文章を読み、思わずはっとしました。
 安倍首相とその内閣を、決して過小評価してはいけない。すでに、彼と彼らは、歴史に刻む「成果」をあげてきているのです。教育基本法改訂、防衛庁の防衛省への昇格、従軍慰安婦と沖縄戦住民自決での日本軍の強制の否定、イラク戦争への自衛隊派遣の延長等々、着実に日本を戦争の出来る国へと布石を打ってきています。そして、憲法改正のための手続法としての国民投票法を整備し、憲法9条2項(戦力の不保持)廃棄へと駒を進めるのは必至です。「非理性的で良心をもたないイカサマ師」内閣だから長続きはしまい、との高みの見物は許されない状況です。小選挙区制のもと、自民党内での振り子の原理は、最早機能することもなく、極端に右へ右へとシフトしていきます。この流れを止める最大のチャンスが、今回の参院選挙だと思います。自民党とそれを支える公明党を勝たせるわけには行きません。
 戦前、私たちの親や祖父母の世代は、軍国主義者の跳梁跋扈を許し、彼らが、アジアとわが国の人びとの生命と財産を奪うことを、止めることは出来ませんでした。ドイツ国民もまた、ヒットラーとナチズムの暴虐を、許すことになったのです。
 政治に理性と良心を取り戻し、自由で格差のない平和な社会、戦争でひとを殺したり殺されることのない国家を、私たち自らの手でわがものとしたい、と切に願うのです。
 
 

 

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