ムンク展
上野の国立西洋美術館で『ムンク展』を観ました。金曜日は、美術館が夜8時まで開いているため、週末の美術鑑賞が習慣となりつつあります。昨日は雨が降っていたこともあり、入場者はさほど多くなく、ゆっくり鑑賞することができました。
かつて私の観たエドヴァルト・ムンク(1863-1944)の作品は、倉敷・大原美術館の「マドンナ」(リトグラフ)だけです。オスロ国立美術館での「叫び」「マドンナ」の盗難騒ぎなど、話題の多い画家ですが、今までその作品を観る機会に恵まれませんでした。
今日の一枚は、やはりリトグラフ「マドンナ」(1895)。上半身ヌードの女性は、身体を捩り恍惚とした表情を浮かべていますが、死者の顔のような感じもします。頭に重なっているのは、聖母マリアを象徴する光輪なのでしょうか。マドンナを取り囲む額縁部分には、おたまじゃくしのような奇妙な文様が描かれています。精子だとのこと。そして左下隅に、力なく腕を十字に擁(いだ)く胎児がいます。ミイラのようです。主題は、生なのか死なのか。恐らくその両方なのでしょう。こんなに官能的な聖母像は、ほかに知りません。オスロにあるもう1枚の「マドンナ」(油彩)も是非、観たい。
今回展示されているムンク作品の題名をざっと見るだけで、ムンクという画家の追い求めた世界が、おぼろげながら想像されます。「灰」「メランコリー」「不安」「絶望」「豊穣」「メタボリズム」「生命のダンス」・・・・・・。
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