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2008年2月29日 (金)

お袋 軽い脳梗塞 ?

 月曜日の夜、風呂上がりの着替えを済ました直後、お袋がバタンと音を立てて倒れました。隣室にいた私と家内は、すぐに部屋にとび込んだのですが、お袋は、目を開けたまま床の上にうずくまっていました。眼の焦点は定まらず、何も見えていない様子。声をかけても返事がありません。意識がないのです。ただ、ハァハァと、乱れながらも息はしっかりしている。あわてた私は、意識のないお袋に、ひたすら「大丈夫か?大丈夫か?」と繰り返し質すばかり。しばらくして意識は回復しました。冷静な家内は、数年前の自分の母親の介護の経験から、病院に運んだ方が良いと判断し119番に電話、間もなく救急車が到着しました。幸い、こちらの希望した市民病院が、受け入れてくれることになりました。

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2008年2月25日 (月)

雪中嵐山に酔う

 先週末、甥の結婚を祝うため、京都へ行ってきました。八坂神社での結婚式に参列したあと、近くのイタリア・レストランで開かれた披露宴で、ご馳走をよばれました。花嫁が造り酒屋の娘さんでしたので、この日のために父親が丹精込めて造ったという大吟醸のお酒をよばれ、芳醇な味わいに至福のひと時をすごすことができました。
 披露宴の終わった後、花婿の父親(義兄)と実兄の二人とともに、四条通りから花見小路を通って建仁寺へ行きました。建仁寺は、日本最古の茶書『喫茶養生記』の著者栄西の開山による、京都五山の第三位に列せられた臨済宗建仁寺派の総本山です。昨年春この本を読んだとき以来、一度は訪ねたいと思っていたお寺です。

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2008年2月17日 (日)

崇礼門(南大門)の焼失

  今月10日、韓国の国宝第1号の崇礼門(南大門)が、放火され焼失しました。ソウルからのテレビ報道は、多くの市民が、焼けた崇礼門を見つめながら泣き崩れる姿を映し、人々の悲しみと憤りを伝えています。それから1週間、韓国の新聞は連日、放火犯のことと同時に、文化財の保護問題や崇礼門の再建計画について、取り上げています。そのひとつハンギョレ新聞(英字版)社説が、1922年、日本の植民地政府によって壊されかけた光化門が、日本の民俗学者柳宗悦によって救われたことを、紹介しています(ウニさんのブログ『壊れる前に・・・』2/16より)。そしてウニさんは「侵略者側の体制内知識人ゆえの限界はあっただろうと思うが、植民地だった側の人たちが柳の言葉を「胸を突く叫び」として、自分たちの文化のためにあげられた声として、優しく記憶していることには、いろいろと考えさせられる」と感想を記しています。

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2008年2月16日 (土)

ベルナール・ビュッフェ美術館

P1010255  ビュッフェ美術館は、JR三島駅からシャトルバスに乗って約25分、終点の小高い森の中にありました。三角形の建物の白壁にはビュッフェのサインが大書され、モダンなデザインが魅力的でした。まわりは木々にかこまれ、開館直後で私たち以外に来客もなく、静かな気持ちのいい朝でした。
 フランスの画家ベルナール・ビュッフェ(1928~99)の作品2000点が集められた、世界でただひとつのビュッフェのための美術館です。

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2008年2月11日 (月)

建国記念日の朝に

 昨日の東京新聞社説は、戦後歴史学がたどりついた成果として「聖徳太子はいなかった」と紹介しています。大山誠一中部大学教授グループの、ここ10年ほどの研究成果を紹介したもの。持統天皇側近の藤原不比等が、誕生した天皇の歴史的正統性と権威の構築という政治的意図をもって日本書紀を編纂し、そのなかで「聖徳太子」像が創作された、ということです。そして最後に「万世一系は子孫を皇位にと願う持統天皇のあくなき執念と藤原不比等の構想によって成り、その父系原理も日本古来のものとはいえないようです。建国記念の日に永遠であるかのような日本の原理の由来と未来を探ってみるのも」と結んでいます。
 建国記念日に読むのに最も相応しい社説だ、と思いました。東京新聞に拍手!今後、古墳や天皇陵の考古学的研究と東北アジアの歴史研究がすすめば、日本の古代の真実の姿が、ますます明らかになるだろうと思うと、ワクワクします。このためにも、日・中・韓・朝4ヶ国共同の研究体制が1日も早くできることを願わざるを得ません。

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2008年2月10日 (日)

ピカソの『ゲルニカ』とは?

Photo_2   いままで観たなかで、その印象が強烈でいつまでも気にかかっている絵画のひとつに、ピカソの『ゲルニカ』(1937)があります。
 数年前マドリードへいったときのこと、喧騒のプラド美術館を出たあと向かったのは、国立ソフィア王妃芸術センターでした。先の美術館とは違ってひとはまばらで、日本の地方のそれのように、大変静かで落ち着いた空間が広がっていました。ピカソ、ミロ、ダリなどの20世紀の作品が集められており、そのなかにピカソの大作『ゲルニカ』がありました。3.5m×7.8mの大画面の前では、10人前後の人々が、ある人は腕を組み、ある人は頬に手をあて、そしてある人は姿勢を正して、その場にたたずんだまま『ゲルニカ』を直視していました。姿勢はまちまちでも、観者たちに共通していたのは、曖昧さや好い加減さはなく、畏敬の眼差しで長時間その場に立ち尽くしていたことです。各々が、ピカソのメッセージを読み解こうと、考え込んでいるようでした。『ゲルニカ』は、この場で観者たちが漂わせていた雰囲気も相まって、一層強烈な印象を私に残しました。

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2008年2月 2日 (土)

ドキュメンタリー映画『ジプシー・キャラバン』

Photo 週末の夜、渋谷シネ・アミューズでジャスミン・デラル監督作品『ジプシー・キャラバン』を観ました。スペイン・ルーマニア・マケドニア・インドの4ヶ国から5バンドが参加し、6週間かけてアメリカ大陸を東海岸から西海岸まで横断した「ジプシー・キャラバン・ツアー」の、素晴らしくエキサイティングなドキュメンタリー映画です。
 仕事後の夜の映画館は、時として眠気をこらえてのひと時となるのですが、昨晩は2時間近くの間、画面に釘付けになり、世界各地のロマ(ジプシーの自称)たちの音楽とその生きかたに興奮しっぱなしでした。音楽を聴いてこんなにも幸せな気持ちになったのは、稀なことです。

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