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2008年2月29日 (金)

お袋 軽い脳梗塞 ?

 月曜日の夜、風呂上がりの着替えを済ました直後、お袋がバタンと音を立てて倒れました。隣室にいた私と家内は、すぐに部屋にとび込んだのですが、お袋は、目を開けたまま床の上にうずくまっていました。眼の焦点は定まらず、何も見えていない様子。声をかけても返事がありません。意識がないのです。ただ、ハァハァと、乱れながらも息はしっかりしている。あわてた私は、意識のないお袋に、ひたすら「大丈夫か?大丈夫か?」と繰り返し質すばかり。しばらくして意識は回復しました。冷静な家内は、数年前の自分の母親の介護の経験から、病院に運んだ方が良いと判断し119番に電話、間もなく救急車が到着しました。幸い、こちらの希望した市民病院が、受け入れてくれることになりました。

 病院に到着し早速、30代半ばの当直医と二人の看護師が、診察に当たってくれました。問診のはじめに、名前と年齢を聞かれると、大声で姓名をフルネームで答え、「94歳です!」とピシャッと言い退けます。子供をあやすような医者の言葉使いに、「私は幼稚園児じゃないですよっ!」と元気がいい。医者が、立てた指を左右に動かして、お袋の眼の動きを観ようとしたとき、すかさず「人差し指 !」と回答。そして、「手を握ってください」と言われて、異常な力で医者の両手を握り返しました。先生カチンと頭にきて一瞬、「○○なんかいっ ?!」と半分叱責調(○○と何を言ったのか覚えていない)。こうして問診が終わり、次に採血、心電図、脳のCTスキャンへと移りました。
 検査が終わったあとは、お袋は救急病棟で点滴を受けながら、うつらうつらしていました。ベッドの両隣りでは、女性と男性の年老いた救急患者が、家族に見守られて点滴を受けています。女性は、糖尿病を患っているのに、インスリン注射をしたあと食事をしなかったため、低血糖で昏倒したようです。お孫さんらしき女性が、ゆっくりと丁寧に「食事はお薬なんだよ」と、祖母さんに言い聞かせていました。男性は、もはや元気を取り戻し、点滴しながら廊下を歩いています。そして我等がお袋、「何でここにいるの?」と今夜の出来事が、理解できない様子で、「帰りたい」と寂しそうに言います。
 医者から検査結果を聞くことになりました。心電図は異常なし。脳出血の症状は見られない。軽い脳梗塞か、不整脈の薬により血管がひろがり、脳貧血を起こした可能性が大きいかもしれない。とりあえずは、さほど深刻な症状ではない、とのこと。ほっとしました。念のため一晩、病院で様子を見るために入院。家内が看病のため病院に泊まることになり、私が家に帰り着いたのは12時30分過ぎでした。
 脳のCTスキャンによる写真を始めてみました。お袋の骸骨に、一瞬ギョッとしました。そして、輪切りされた脳組織が、画面に表示されます。医者が言いました。脳が大分萎縮していますね。
 94歳という年齢を、画面で見せ付けられた感じです。
 お袋の介護第二ラウンドに入ったようだ、と家内と話しました。 

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