里山の春
午前中、まわりの山を散策しました。いま、スミレの花が、あちこちで咲いています。家の近くでは、アスファルトの割れ目からほそい花序をのばし、小さな紫の花を空に向けて、咲いています。山の崖や木々のしたでも、かわいく咲いています。色の薄いものから濃いものまで、さまざまです。日向のほうが多いようですが、陰地にも生えています。スミレの花が咲けば、もう春です。桜の満開まであと10日ぐらいか。
胸の高さくらいに、淡いピンクの小さな花が、垂れ下がるように咲いていました。毎年この時期に、おとなしく咲きます。ウツギの仲間かなと思って調べたら、ありました。ウグイスカグラ(鶯神楽)。初夏には、みずみずしい赤い実ができます。牧野図鑑では、名称の由来は、不明とあります。コナラの林の中では、ウグイスがさかんに囀っています。同時期の符合による命名かもしれません。
山道わきの崖下に、薄い黄色の花がフジのように垂れ下がっていました。家内からキフジ(黄藤)だと教えられましたが、正しくはキブシ(木五倍子)。この実は、タンニンの含有量が多く、粉にして鉄漿(おはぐろ)に使ったとのこと。「おはぐろ」って、こんな漢字を使うのですね。「鉄片を茶の汁または酢の中に浸して酸化させた褐色・悪臭の液に、五倍子(ふし)の粉をつけて歯につける」(広辞苑)とあります。この五倍子の代用として、キブシが使われたということです。
カメラを近づけて大きく撮ると、こんな感じの花でした。釣鐘形の小さな花が、房になって垂れ下がっています。この花序の様子から、谷渡りや沢塞ぎとの別名があります。生花でも珍重されます。
アケビの花が、ほころび始めました。隣りで、一輪だけ開花していました。赤紫色の、なかなか渋い花です。「開け実」の意味。
この季節の里山の花たちは、比較的おとなしいものが多いようです。にぎやかなのは、農家の庭に植わった木々の花たちです。ウメ、レンギョウ、サンシュユ、ミツマタ、ジンチョウゲ、ヒメコブシ、ハクレン、シモクレン、アセビ、ヤブツバキ、ユキヤナギ・・・・・。そして、まもなくサクラが咲き始めます。春は曙、とはいえ、やはり、春は花です。
大江・岩波裁判は、歴史と真摯に向き合う側の勝利でした。読売と産経を除く中央・地方の新聞社説が判決を評価し、日本の平和と民主主義の道筋を、確認しあいました。沖縄の人たちの、ほっとした息吹が伝わってくるようです。が、控訴審が続きます。決して油断はできません。
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