ネムノキとネジバナ
生垣のベニカナメモチが、赤い新芽を伸ばし、色はきれいですが姿がみだれ、気温の上がる前に剪定しておこうと、久々に剪定鋏を持ち出しました。朝の8時過ぎから作業をしだしたのですが、1時間もすると顎が上がってしまいました。午前中に映画に行くつもりでしたが、これでは映画館で熟睡してしまいます。
生垣の上方でネムノキ(合歓木)の花が、咲き始めました。夜、葉を閉じることから、ネムノキと称するようですが、「合歓」は、何ともなまめかしくセクシーな漢字です。この地では、5月中旬になってやっと新芽が出て、9月から10月には、さっさと落葉してしまいます。葉のついている期間は4,5ヶ月だけで、あとは枯れ木のように眠りつづけます。刷毛のような淡いピンクの花は、ほんのりしていて美しい。好きな花木のひとつです。
久々にネジバナ(捩花)が戻ってきました。20年前、当地に引っ越し庭に芝生をはったとき、数年間はこのかわいい花を楽しむことができたのですが、その後芝がだめとなり、ともに姿を消してしまいました。この度は、コグマザサ(小熊笹)を深めに刈り込んで、日当たりをよくした地面から生えてきました。種はどこかから、小鳥たちが運んできたのでしょうか。
94歳になるお袋がわたしたちの家にきて、そろそろ1年になります。外は雨模様で、部屋の中はやや薄くらい感じの、ある土曜日の朝でした。お袋は、朝食をとったあとひと寝入りしてから、ベッドから起きあがった様子でしたが、なかなか部屋から出てきません。どうしたのかなあと思っていたら、なんとまあ、腰に湯あげタオルを巻いて裸のまま、テレビを見ている私たちの前に登場しました。毎晩8時30分ころの風呂行きスタイルです。びっくりする私たちの顔をみて一瞬、怪訝な表情をしたあと、「お風呂沸いたんやな」。「おばあちゃん、朝やで~」という私、「今すぐお湯入れます」と風呂場へすっとんでいった家内。風呂が入るまでの間、ともかく裸なので、ベッドに戻って布団の中に入ってもらいました。夢の中で、「おふろですよ~」の声が聞こえた由。本人は、布団の中で顔を押さえ、少女のように恥らい、声をだして泣きましたが、家内の「お風呂入りましたよ~」の声に、いそいそと風呂場へ。朝風呂にはいって、からだは大変気持ちよく、気分はちょっと落ち込んで、でもまあまあの感じで、その日一日が過ぎていきました。
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