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2008年7月13日 (日)

反貧困運動が動き始めた

 秋葉原事件から1ヶ月余りたちました。犯人が派遣労働者だったことから、派遣労働についてメディアの関心が集まっています。「世界」8月号(岩波書店08.07.08刊)では、鎌田慧・池田一慶・小林美希・本田由紀4氏による緊急座談会『秋葉原事件・何が問われているのか―若者の生きることと働くことをめぐって』が掲載されています。池田氏は、自ら派遣労働者として働いた経験から、この事件の背景には、「派遣労働という構造や派遣先企業の問題」があると指摘しています。鎌田氏も今回の事件が、「個人の資質や性格の問題ではなく、あくまでも社会的な問題」だと強調します。鎌田氏の指摘のように、この事件をめぐる論議は今後も、この対立する二つの立場からなされていくと思います。

 湯浅誠著『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』(岩波新書 08.04刊)は、日本社会の貧困化を真っ正面から捉えた、反貧困ネットワーク活動の現場からの貴重な報告です。湯浅氏はこの書で、あたかも秋葉原事件を予言するかのような、次の文章を残しています。「期待や願望、それに向けた努力が挫かれ、どこにも誰にも受け入れられない経験を繰り返していれば、自分の不甲斐なさと社会への憤怒が自らのうちに沈殿し、やがては暴発する」。勿論、秋葉原事件発生前の文章です。
  しかし、労働者は「反貧困」でつながり始めています。著者の湯浅氏は、ホームレス支援活動やNPO法人自立生活サポートセンター・もやいの事務局長を担い、先の池田一慶氏もNPO法人ガテン系連帯の共同代表をつとめています。孤立する労働者にとっては、心強いサポーターたちの登場です。
 ブログ『世界の片隅でニュースを読む』は、メディアでは触れられず、ネットで話題となった共産党志位委員長の、2月8日衆院予算委員会での質問議事録が出たことを紹介しています。私はYouTubeで50分余の録画を見たのですが、志位さんの具体例を出しての政府追求は単に、政府の施策を批判するだけでなく、何とか首相や厚生労働大臣から政策転換の言質をとろうとする、真摯で説得力ある質問であり、50分余という時間の長さを感じさせない、稀に見る刺激的な国会論戦でした。労働者派遣法の見直しは必至の情勢ですが、自公政権による骨抜きを許すことはできません。秋葉原事件の犠牲者たちの死を無駄にしないためにも、つまり二度と同様の悲劇を起こさないために、労働者派遣法の抜本的改革を手始めに、反貧困の戦いが力強く展開していくことを、こころから念願します。
 「反貧困キャラバン」の東日本コースが今日、さいたま市の浦和を出発します。

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