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2008年9月28日 (日)

彼岸の尾瀬ヶ原を行く―その2

  1. P10407281  9月23日のブログでは、主に尾瀬ヶ原の「花と果実」の写真をアップしましたが、せっかくなので当日の景観写真も掲載しておきます。
     朝7時に鳩待峠を出発したときの気温は12℃。肌寒い感じでした。快晴の空をバックにした至仏山を左手に、山の鼻に向かって下りていきます。潅木の一部は紅葉を始めていますが、ブナ・トチ・ミズナラ・ダケカンバなどの高木は、昨晩の降雨にあたって瑞々しい緑色をしていました。

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2008年9月27日 (土)

グローバル・クライシス

  アメリカの金融危機が、急激な展開をみせています。9月15日、リーマンブラザーズが破産申請し、メリルリンチがバンカメに買収されました。17日、世界最大の保険会社AIGが破綻し政府資金の投入で実質的に国有化されました。さらに25日、米貯蓄貸付組合(S&L)最大手ワシントン・ミューチュアルが破綻。証券、保険から遂に銀行にまで危機が拡大し、いよいよアメリカ市民の財布を直撃する様相を呈してきました。

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2008年9月23日 (火)

彼岸の尾瀬ヶ原を行く

P10408841 彼岸の尾瀬ヶ原では、草紅葉がはじまり、紫紺色のリンドウやトリカブトが湿原一体に咲き誇り、春から夏にかけて目を楽しませてくれた花たちが果実となって、再び行きかうハイカーの目を引いていました。
 尾瀬が初めてという古くからの友人を誘ってきたので、もっともスタンダードな、鳩待峠を出発し、山の鼻-ヨッピの吊橋-東電小屋-見晴し-竜宮-山の鼻の周遊コース約20kmを散策しました。今年の旧盆前にひとり歩いたコースと同じです。

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2008年9月20日 (土)

クッツェー著『鉄の時代』

Jm_  老いた母親が、娘に書いた手紙。母親は、末期ガンに侵され、そして娘は遠く離れた異国の地に住んでいます。母親は娘に、「わたしの真実―この時代を、この場所で、どのように生きたかということ」を伝えたいと熱望します。だからこの手紙は、娘への遺書のようなもの。この時代とは、1980年代、アパルトヘイトが崩壊の危機にありながらも、いまだ差別と暴力がはびこっている時代、そしてこの場所とは、南アフリカ・ケープタウンの白人住宅街。(J.M.クッツェー著『鉄の時代』 河出書房新社 池澤夏樹編「世界文学全集Ⅰ-11」08.09刊 写真はウィキペディアから)

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2008年9月14日 (日)

母のこと

  私の家に母(94歳)が来たのは昨年の8月でした。それから1年余りたちますが、この間のことは、折に触れこのブログにも書きました。母の介護のことを記録しておきたいとの個人的動機と、高齢者との共同生活についての報告が何らかの参考になれば、と考えてのことです。

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2008年9月13日 (土)

秋の里山

P10406191   暦では明日14日は中秋の名月。しかし体感では、やっと夏が終わり、秋の気配が漂い始めたところ。久々に、家まわりの里山を2時間ほど歩いてみました。
 近くの畑では、オクラの花が咲いています。7月から収穫しており、あと1ヵ月近くは採りつづけます。収穫期間の長い野菜です。朝夕の犬の散歩のときいつも、近所の農家のご夫婦が、実を採っている姿を見かけます。先日は採り立てのオクラを両手一杯いただき、味噌汁にいれて美味しくいただきました。
 

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2008年9月 7日 (日)

バオ・ニン著『戦争の悲しみ』

 バオ・ニン著『戦争の悲しみ』は、ヴェトナム戦争が生み出した戦争文学です。著者バオ・ニン(1952-)は69年、ハノイの高校卒業後ヴェトナム人民軍に入隊し、南ヴェトナムにおいて米軍やサイゴン政府軍との戦闘に従事しました。この小説は、著者本人の、青春の日々を奪われ人格を破壊されんとした戦争体験と、自己葛藤のなかで生きる意欲を取り戻し自己再生を図ってきた戦後体験が、深く影を落としています。
 私にとってのヴェトナム文学は、この作品が初めてです。また、私にとっての従来の戦争文学は、全て過去の、つまり私の生まれる前の戦争を題材としたものでしたが、『戦争の悲しみ』は、自分と同時代の、しかも私と同世代(いくつか若い)の作家による作品であり、ヴェトナム反戦デモへ参加したことを思い出し、いままでの戦争文学にない読書経験をした感じがします。

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