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2008年10月26日 (日)

ドキュメンタリー映画『花はどこへいった』

Img_3  ベトナム戦争のときアメリカ軍は、ベトナム南部に大量の枯葉剤を散布しました。南ベトナム解放戦線のゲリラの隠れ場所を抹消し、彼らの食料の補給路を断つためでした。
 この作品の監督・坂田雅子さんの夫、フォト・ジャーナリストのグレッグ・デイビス氏は、アメリカ軍兵士としてベトナムへ送られ、枯葉剤が原因と疑われる肝臓がんで2003年、亡くなりました。坂田さんは夫の死後、夫の戦争時の足跡を訪ねベトナムへ行きます。そこで彼女が目にしたのは、戦後30年以上たった現在なお、ダイオキシンを含んだ枯葉剤によって深刻な障害をうけ続けているベトナムの人々でした。

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エルサ・モランテ著『アルトゥーロの島』

Photo  高校2年の時だったか、若い国語の先生に誘われ、京都祇園の映画館で『禁じられた恋の島』というイタリア映画をみたことを思い出します。地中海の小さな島を舞台に、旅に明け暮れる父親が連れ帰った、若く美しい義母に、幼くも切ない恋心を寄せ、ひとり苦しむ少年を描いた映画でした。哀愁に満ちた音楽とともに、忘れがたい映画のひとつです。主人公の少年に感情移入し、もの悲しくやるせない気持ちをもったまま映画館をあとにした記憶があります。
 あれから半世紀ちかくたって、あの映画の原作に出会うことになりました。エルサ・モランテ著『アルトゥーロの島』(河出書房新社 池澤夏樹編『世界文学全集Ⅰ-12 08.10刊))。

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2008年10月19日 (日)

アメリカ大統領選挙のゆくえ

 久々のゆったりとした日曜日で、朝からネットを徘徊しています。月2回の割りで更新されている「加藤哲郎のネチズン・カレッジ」で、M.ポアチャ稿『オバマで世界は変わるのか-2008米大統領戦のゆくえ』が紹介されています。ポアチャは、スウェーデンに住む政治学者のようですが、詳しいプロフィールはわかりません。米大統領選は、2週間後に投票日を迎えますが、選挙前の今まさに、読む価値のある論文だと、思います。

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2008年10月18日 (土)

新自由主義の終わりの始まり-労働政策をめぐって

Img_2 季節はずれの食あたりで家内が点滴をうけている間、病院の廊下で読み始めたのが、五十嵐仁著『労働再規制-反転の構図を読みとく』(ちくま新書 08.10刊)でした。私の必読ブログのひとつ「五十嵐仁の転成仁語」で刊行予告されていた新書で、内容も当ブログで追究されてきた、政府の労働政策の転換、規制緩和から再規制への「反転の構図」を読みとくものです。
 小泉・竹中「構造改革」によって格差と貧困が拡大し、自公政権や財界内部にも労働の規制緩和についての対立が明らかとなり、官僚からの逆襲によって、労働再規制へと反転しつつある様子が、赤裸々に描かれます。
 家内の症状が好転しないため、翌日再度、点滴をうけることになりました。その間2時間、病院の庭先の駐車場で読み続け、丁度点滴の終了とともに、読み終えました。家内も回復、ほっとして、ブログを書いています。

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2008年10月12日 (日)

再び、母のこと

P10409701  1ヶ月前に書いたように、それまで嘔吐を繰り返していたお袋は、病院での診断後、ほっとしたように嘔吐がおさまりました。末期の胃がんであるにもかかわらず、適切な医者の説明で嘔吐の原因を「胃内部にできた邪魔者」のためと正確に理解し、100歳までは生きるとの強い意欲をもって、再び普通の生活に戻ってきました。
 (ブログを書いている窓の外で、アオサギが餌を啄ばんでいます)

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2008年10月11日 (土)

ロバート・B・ライシュ著『暴走する資本主義』

Photo  先日、キャノンのプリンターを、ネット(価格.com)通販で購入しました。キャノンを選んだのは、性能と使い勝手のよさからで、ネット通販を使ったのは、最大手の家電量販店よりも20%ほど安かったからです。
 キャノンが、偽装請負で厳しく批判され、それに反論した御手洗会長(日本経団連会長)の傲岸な態度に嫌悪感すら覚えたのですが。また、地元に本社を設置した家電量販店は、多くの雇用を生み出し、地元から大歓迎されました。しかし、消費者としての私は、上のような行動をとりました。
 R.B.ライシュ著『暴走する資本主義』(東洋経済新報社 2008.6刊)は、こうした「私」(もうひとつは投資家としての「私」)の行動に焦点を当てながら、現代の資本主義に鋭いメスを入れていきます。暴走する資本主義の主人公として、「私」が登場します。

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2008年10月 5日 (日)

W.B.イエイツ編『ケルト妖精物語』

Img_00011_2  司馬遼太郎が、「本居宣長と萩原朔太郎と柳田國男と小山内薫を一つにしたようなひと」と称したアイルランドの詩人で劇作家の、ウィリアム・バトラー・イエイツの『ケルト妖精物語』(ちくま文庫 1986刊)を読みました。数年前に、柳田國男著『遠野物語』や阿部謹也著『ハーメルンの笛吹き男』を読んで以来の民間伝承物語(『ハーメルン・・・』は研究書)です。近年中にアイルランドへいってみたいとの思いから、司馬遼太郎著『愛蘭紀行Ⅰ.Ⅱ』(朝日文庫 93刊)を読み返してみて、「カトリック世界でただ一ヶ所、アイルランドだけは、小人や妖精が生きのこることをゆるされた」との記述に惹かれ、この本を読んでみることにしました。 

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2008年10月 4日 (土)

沈黙の絵

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  上野の国立西洋美術館で現在、『ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情』展が開かれています。ハンマースホイ(1864-1916)は、デンマークを代表する画家で、日本への本格的な紹介は、本展が初めて。週末の朝、早速行ってみました。左の作品は、『室内、ストランゲーゼ30番地』(1901)。

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