« 2008年10月 | トップページ | 2008年12月 »

2008年11月30日 (日)

上州下仁田 蒟蒻の里 を訪ねて

P10502951  昨晩ひとり泊まった4才の孫娘を息子夫婦の家に送りとどけ、その後久々に、下仁田町へ足を伸ばしました。下仁田町の手前、富岡市南端の野上に、見事な干し柿を吊るした農家がありました。晩秋の青空に、ハチヤ柿の渋い柿色が映えていました。群馬では、自家用程度の干し柿はどこにでもありますが、これほど多く吊るしているところは、あまり見かけません。

続きを読む "上州下仁田 蒟蒻の里 を訪ねて " »

2008年11月29日 (土)

ジャン・ルオー著『名誉の戦場』

 実家の古いアルバムには、亡くなった父の軍隊時代の写真が、何枚かあります。その中の一枚には、大きな鳥居を背景に深い積雪を踏みしめる馬上の軍服姿の父が写っています。「昭和11年 北海道大演習 弘前にて」と記されていました。別の写真には、結婚したばかりの父と母が、高齢の鼻筋の通ったきりっとした感じの女性と父母よりやや上くらいの都会風の男性とともに、無表情にカメラに向かっています。男も女もみんな着物姿です。親戚の誰かなのでしょう。これらのセピア色の古い写真は、家族の歴史の断片を、静かに物語ってくれます。
 ジャン・ルオー著『名誉の戦場』(河出書房新社 池澤夏樹編「世界文学全集」Ⅰ-10)は、フランス西部の小さな町に住む、何処にでもあるごく普通の、ある家族(著者ジャン・ルオーの家族)の肖像を小説化したものです。まるでわたしの家族にも有り得たような、決して特別でも何でもない、小説世界です。

続きを読む "ジャン・ルオー著『名誉の戦場』" »

2008年11月24日 (月)

ガルブレイス著『大暴落1929』

 アメリカの大手自動車メーカー3社(ビッグ3)が、経営危機に直面しています。250億ドル(約2兆4千億円)の救済融資をもとめて、ビッグ3のCEOたちがアメリカ議会公聴会で証言したニュースが、先週末の新聞とテレビで大きく報道されました。「政府が救済融資をしないと雇用不安などでアメリカ経済は崩壊する。われわれは金融危機の被害者だ」というゼネラル・モーターズ(GM)のリチャード・ワゴナー会長兼CEOの脅しのような証言は、自家用ジェット機でワシントン入りしたこととあいまって、議員たちの反感を買いました。
 金融危機の深まりと広がりのなかで、実体経済のうち既に経営体力を弱めつつあった部分が、最初の悲鳴をあげ始めたのかもしれません。
 先週読んだ「世界」12月号の特集記事「崖っぷちに立つ世界処方箋はあるのか?」に引き続き、「バブル崩壊、株価暴落のあとに必ず読まれる、恐慌論の名著」(帯から)といわれるジョン・K・ガルブレイス著『大暴落1929』(日経BPクラシックス 2008.9.29刊)を読みました。 

続きを読む "ガルブレイス著『大暴落1929』" »

2008年11月22日 (土)

初冬の三陸海岸

P1050241  火曜日からの長い北東北出張の最終日は、三陸海岸の大船渡でした。漁港近くの民宿に泊まり朝、海岸を散策しました。この辺りは、陸中海岸国立公園のなかにあり、碁石海岸として名の知られたところ。天気は快晴、昨晩の凍るような寒さは消え、頬を撫でる風は未だ、秋のものでした。   

続きを読む "初冬の三陸海岸" »

2008年11月16日 (日)

金融危機・世界恐慌への道

 ワシントンで開かれていた金融サミット(G20)が15日、宣言を採択し閉幕しました。宣言では、世界同時不況回避のための国際協調や金融市場の改革などがうたわれ同時に、各国の景気浮揚のための財政発動を求めています。はたして、世界恐慌は回避できるのでしょうか。
 『世界』12月号は、「崖っぷちに立つ世界 処方箋はあるか?」と題した特集を組み、世界金融危機の背景と世界恐慌を回避する道筋を探っています。

続きを読む "金融危機・世界恐慌への道" »

2008年11月15日 (土)

在日コリアンの証言に耳を傾けよう

  丸の内OAZOの丸善で、新書としては不似合いに分厚い本が、文庫・新書コーナーに平積みにされていました。小熊英二・姜尚中編『在日一世の記憶』(集英社新書 08.10.22刊)。在日コリアン一世52人のライフ・ヒストリーを聞き取り、記録したもの。日本の植民地となった朝鮮半島に生まれ、生活苦や強制連行・徴用などによって来日し、戦後(解放後)も日本に留まらざるを得なかった人々とその家族たちの、貴重な証言集です。在日として生きつづける人たちとともに、私も日本人の1人として、これらの証言を記憶しつづけていきたい。日本社会での多様な人々の豊かな生き方を発展させ、それが東北アジアの平和と繁栄につながっていくことを希求しながら。

続きを読む "在日コリアンの証言に耳を傾けよう" »

2008年11月10日 (月)

芋煮会・うどん打ち

P10501601  昨日日曜日は、隣り組の芋煮会。昨年の会は10月20日ころだったのですが、好天に恵まれ、会場のビニール・ハウスの中は真夏の暑さでした。今年はうって変わって朝から曇天で肌寒く、ハウスの中は大丈夫かと心配したのですが、会場へいってみると既に大きな加温器に木片が燃やされており、ハウス内はほんわりと温かくなっていました。
  (写真の農具は、甘楽町小幡につたわる芋車。江戸時代から雄川用水の流れを利用して、里芋・人参・薩摩芋等の野菜を洗ったもの。芋車で皮を剥いた里芋は大変美味しいといいます。残念ながら使えませんでした。)

続きを読む "芋煮会・うどん打ち" »

2008年11月 8日 (土)

ドキュメンタリー映画『敵こそ、我が友~戦犯クラウス・バルビーの3つの人生~』

Img  元ナチス親衛隊中尉クラウス・バルビーは、1987年7月3日フランスの法廷で、第2次世界大戦時における人道に対する罪-ユダヤ人逮捕とアウシュヴィッツへの強制移送やレジスタンス活動家に対する拷問など-で有罪となり、終身禁固刑を宣告されました。
 フランス・リヨン近くのイジューのユダヤ孤児院から、収容所へ強制移送される子供たちの姿は、バルビーの憎むべき犯罪を雄弁に物語ります。しかし、ケヴィン・マクドナルド監督の視線は、戦後のバルビーにより強く、注がれます。 

続きを読む "ドキュメンタリー映画『敵こそ、我が友~戦犯クラウス・バルビーの3つの人生~』" »

2008年11月 3日 (月)

沖縄戦「集団自決」(強制集団死)裁判 控訴審判決

 「集団自決に隊長命令はなく、名誉を傷つれられた」として旧日本軍の守備隊長らが、『沖縄ノート』の著者大江健三郎さんと出版元の岩波書店に出版差し止めと慰謝料を求めた裁判で、大阪高裁は先月31日、原告敗訴の一審判決を支持して、控訴を棄却しました。このニュースを受け、新聞社はいっせいに社説を掲げました。その多くが、「軍の深い関与が明白に」(沖縄タイムス)「地元納得の妥当判決」(琉球新報)「あの検定の異常さを思う」(朝日)「言論の萎縮に警鐘を鳴らした」(毎日)などと、判決を積極的に評価しました。一方右派紙は、「検定の立場は維持すべき」(読売)「判決と歴史の真実は別だ」(産経)と判決を批判しました。

続きを読む "沖縄戦「集団自決」(強制集団死)裁判 控訴審判決" »

2008年11月 1日 (土)

土本典昭監督の最期の日々

  土本典昭監督作品『水俣-患者さんとその世界』(1971制作)は、悲しく衝撃的な作品でした。チッソの垂れ流した工場廃液を原因とした有機水銀中毒で苦しむ水俣の人々を主人公としたドキュメンタリー映画です。悲惨で深刻な症状を抱えながらも、懸命に生きる患者さんとその家族の日常生活が、淡々と描かれていました。私は、自主上映の会場で、嗚咽(おえつ)をこらえながら、見つづけた記憶があります。
 その土本典昭さんが今年の6月、お亡くなりになりました。末期の肺がんでした。緩和医療の実態を追い求めているノンフィクションライターの土本亜理子さんが、娘の立場からみた土本監督の最期の日々を、『緩和ケア病棟のある診療所で過ごして』(『世界』11月号所収)と題して報告されています。
 

続きを読む "土本典昭監督の最期の日々" »

« 2008年10月 | トップページ | 2008年12月 »