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2009年1月 5日 (月)

スイス映画『マルタのやさしい刺繍』

Photo_3 スイスの小さな村に住む80歳のマルタは、夫を亡くし半年も喪に服したまま、いきる気力を失っています。そんなマルタのことを、息子や村びとが、大層心配しています。あるとき、友だちの一人が励ましの気持ちを込めて、マルタの若い頃の夢であった、ブティックの開店をすすめます。なんと、スイスの伝統的な刺繍をほどこしたランジェリーを作って売ろうというのです。牧師の息子と村の政治リーダーは、下劣で利己的だといって、排斥しょうとしますが・・・・・。
 スイスの若い女性監督ベティナ・オベルリ作品『マルタのやさしい刺繍』(スイス・2006年)は、年老いた人々が紡ぎ織る、楽しく心あたたまるおとぎ話です。

 三人の仲間で、ベルンへ出掛けます。とあるランジェリー・ショップ。色とりどりの下着を手にとって点検するマルタ。その粗雑なつくりにあきれ、これなら私のほうが、と意欲を燃やします。早速、最高級生地を買って、手作りの女性用下着作りが始まりました。仲間の1人は、男性に混じってパソコン教室へ。勿論、インターネットでマルタの刺繍入りランジェリーを売るためです。さーて、大変。オーダーが押し寄せ、マルタ1人では間に合いません。そこで、老人会の刺繍クラブにたのみます。お爺さんが、目を細めながら、女性下着に刺繍針を差しこむ様子は、微笑ましい。
 農夫で政治リーダーの息子から忙しいからと、身体の不自由な夫の介護を任されたお婆さんは、夫の病院通いのために、車の免許取りに挑戦します。危険いっぱいの教習をへて、免許証を取ります。マルタの下着は、わたしが配送するわ、と元気一杯です。
 生きがいを無くし、一人ぼっちの寂しい生活をおくるお年寄りたち。監督は彼女たちに、裁縫とパソコンと車の運転に挑戦させます。この挑戦に乗った彼女たちは、目を輝かせて、生きがいを見つけていきます。これを妨害するのは、牧師と政治リーダーの息子たち。変化を嫌い村の良き伝統を説いてやまない保守派。フリルのついた透きとおるようなパンティーを売るなんて、もってのほかだと怒りまくります。が、牧師は浮気の現場を母親のマルタに目撃されます。政治リーダーは、ハレ舞台になるはずのヨーデル大会の演説中に、飛び出してきたランジェリー姿の村の娘たちに妨害されます。建前の常識論をぶちながら保守派の2人は、妻や年老いた親をないがしろにする、極めつきの利己主義者。この2人がやっつけられて、ヤンヤの喝采でおします。スイスの美しい山村風景が、印象的でした。

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