区総会
先日、2年に一度の区の総会がありました。6組53戸からなる集落の自治組織です。総会の主なテーマは、2008年度の会計報告と新役員の選出です。従来の総会では、会計報告は順調に行くのですが、新役員の選出がいつも難航します。出席者は43人、出席率81%と高率でした。
夜7時の定刻どおりに開会し、区長挨拶、議長選出、書記選任とすすみ、議事の最初に、会計報告がありました。会計は、区長代理さんの仕事です。収入の項に、「新年会の買い物のあまり」があったり、町からの助成目的の質問に、「金の入っていた町の封筒には何も書いていなかったので、わからない」といった答弁があったりと紆余曲折し、時間ばかりが経ちます。しかし、1件ごと几帳面に記された支出入明細をみていくと、区の財政と活動の全容がわかります。
収入は65万円余で、前年度繰越金を除いた当年度収入だけでみれば、区民による区費が28%、県や町からの助成が69%をしめます。一方支出は、次年度繰越金を除いた当年度支出だけでみれば、公民館管理費(公共料金等)34%と一番多く、活動費22%、外灯設置・維持費21%、寄付13%、団体助成10%となっています。区の行事を知るには活動費の内訳をみればいいのですが、それは、道祖神祭りや注連縄(しめなわ)作りといった伝統行事と道路の草刈り清掃の時に出すお茶代となっています。団体助成は、区長会、子ども会、消防団などに支出されています。寄付は、赤い羽根募金や年末募金等への寄付です。区民全員参加の行事は草刈り・道路清掃(不参加の場合は出不足金が課せられる)だけで、あとは有志の皆さんだけの参加。いささかさびしい活動状況です。お楽しみも少なければ、健康活動などもなく、農業生産にかかわる活動は、皆無です。共同活動が消えてしまいそうです。
新役員選出の前に、「区への加入要件について」と題した議事がありました。ある農家の娘夫婦が、親が区の構成員になっているから、自分たちは区組織から脱退したい、との意向を受けて、はてどうしたものか、というテーマです。「これを認めれば区が先細りになる」「跡取り息子の場合は、おやじか息子かどちらかが加入すればいい、娘の場合だって、男女同権の時代だからいいだんべ」とかなんとか結構にぎやかな議論がされましたが、結局、区や組への加入・脱退は、なんら強制されるものではない、との原則論で結着しました。この娘夫婦は、結婚して親の敷地内に別住居を構え、区には加入していましたが、組には未加入でした。高崎市近くの山里の隣組組織にも、こんな形で原則論が入りだし、共同空間が崩れつつあるのかもしれません。
総会の最後は、新役員の選出です。区長、区長代理、保健環境委員の3役の選出です。区長と区長代理は、旧3役の持ち上がりの慣行なので、実質は保健環境委員ひとりの選出です。まず6つの組からそれぞれ推薦された人の名前が、黒板に書かれました。そこには私の名前を含め5人の名前が書かれました。先の組の「春祈祷」のおり、長老からそろそろどうかね、といってすすめられ承諾していました。6組で5人ですから、ひとりの方が2つの組から推薦されました。これできまり。やれやれ役につかなくてすんだ、と思いきや、議長がその結果を報告し、「では○○さんよろしく」といった途端むっくと立ち上がった○○さんは、「70を過ぎた私に、なんでやらせるんだ。これから6年間も3役やったら、死んでしまう。絶対に辞退したい」。実はこれがいつものパターンです。すでに総会が始まって1時間半が経過しています。あと1時間は覚悟しなければなりません。「お願いします」「辞退する」の押し問答が続くのです。しかし、今回の議長は明快でした。名前のあがった5人から投票で決めよう、と議長提案があり了承され、早速投票となりました。その結果、私に16票集まり、新保健環境委員に決まりました。中学校のクラス委員以来の、投票による選出でした。これからの6年間、区の3役として、楽しい里おこし運動のお手伝いをやってみるつもりです。
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