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2009年3月15日 (日)

屋久島は春、しかし雪が

P10601961  先週後半、屋久島へ行ってきました。初日の12日(木)は、薄曇りながらも気温は高く、日中20℃を超える暖かさでした。安房(あんぼう)の茶畑に行くと既に、早生品種の茶樹は10㎝近くも芽が伸び、美しい萌葱色に輝いていました。静岡の茶畑に比べ、1ヶ月以上は早い展開です。農場長の話では、2,3月の暖冬の影響で、昨年よりは10日ほど成長が早いようです。

P10602021 今回の旅行目的のひとつが、この茶畑と荒茶工場を訪ねることでした。緑茶では、日本で初めて〈GLOBAL GAP)の認証を取得した農園です。GAPはGood Agriculture Practiceの略で、農業生産工程管理手法とか適正農業規範などと訳されています。これは1990年代はじめ、食の安全や環境問題への消費者の関心が高まるなかで、EU諸国の農業者と流通業者が共同して立ち上げた国際認証制度です。農場での管理の際に、食品安全、環境保全、労働安全などの観点から点検・記録し、問題点を改善していこうというものです。日本に導入されたのも、ここ2,3年のこと。農産物とその加工品に対する消費者の信頼感を醸成していくためにも今後、こうした制度の発展がのぞまれます。もっとも、小規模生産・至近距離輸送の地産地消では、生産者と消費者が直接向き合うことで、GAPの思想が、実質的に貫徹されます。
 
 旅行目的の二つ目「もののけ姫の森」を徘徊するため、2日目の午前中、白谷雲水峡を訪ねました。行程と時間は、次の通りでした。
 白谷雲水峡入口 8.30出発→弥生杉 8.50→さつき吊橋 9.10→原生林歩道・三叉路 10.30→白谷小屋・七本杉 10.45→楠川歩道・入口 11.30
P10602161_3 白谷広場にレンタカーを停め、歩き始める頃には、雨が本格的に降り出し、雨具なしには歩けません。13人の参加者のうち軽装の3人は早々にリタイアーし、10人による散策となりました。雨の森のなかは、うす暗い。そして森の主人公は、やはり大樹となった杉たち。ここでは、1000年以上経ったものを屋久杉と称しています。P10602241 
 枯れて朽ちた杉が、不思議な形で現れます。標高600mから800mにあたるこのコースは、照葉樹林と屋久杉などの針葉樹林および落葉広葉樹林が混交して生育しています。P10602311      突然、グロテスクでお化けのような幹が、現われました。ヒメシャラが、枯れた杉の大木を抱きしめ、絡まっています。P10602571
 森のもうひとりの主人公は、コケたちです。うす暗いなか、わずかの光をひろってあざやかな緑色に染まっています。P10602661
 いつの間にか、ヤクシカが現われました。5メートルも離れていません。われわれの姿を認めても驚く様子はなく、静かに草を食んでいます。ちょっと目をはなした間に、どこやらへすっと消えていきました。奈良の鹿よりもいく倍も小ぶりで、尻の白い毛がかわいい。
 原生林歩道では、ほとんど人に会わなかったのですが、くぐり杉から白谷山荘のあたりで、いく組かのハイカーに出会いました。春休みのためか、学生が多いようでした。約3時間の散策は、深い森のなか、水と苔に満ち溢れる「もののけ姫」の世界を堪能させてくれました。

 

 
 

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