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いささか唐突ですが、この夏、中国へ行くことになりました。そこで、中国5000年の歴史について、にわか勉強をはじめました。テキストは、陳舜臣著『中国の歴史』全7巻(講談社文庫)。数年前、4巻まで読んで放っておいたもの。今回は全巻読み通したい。
伝説の三皇五帝時代の説明のなかに、「大同の世」について語られています。後世の中国人、とりわけ儒家のひとたちが、あるべき政治の姿として描いたユートピアの時代です。出所は『礼記』。礼記(らいき)とは、周から漢にかけて儒学者がまとめた礼に関する書物を、漢の戴聖が編纂したもの(ウィキペディア)。紀元前の中国で描かれた政治論が、21 世紀の日本で輝いて見えることに、驚きます。「天下為私」の風潮が、日本の政界を席巻している現在、「天下為公」の政治をあらためて求めたいものです。
ノーベル平和賞受賞者17人が17日、被爆地広島の新聞「中国新聞」紙上に、「ノーベル平和賞受賞者ヒロシマ・ナガサキ宣言」を発表しました。来年5月の国連での核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向け、世界の反核世論を盛り上げることを目的にしたものです。「宣言」のなかで、被爆者たちの反核の決意が3度目の核兵器による悪夢を回避させた、と明言しています。もっとも印象的な部分です。
ブログ「壊れる前に・・・」のウニさんの呼び掛けに応え、できるだけ多くの人たちに紹介するために、取り上げました。
先週の日曜日(5月3日)、高崎の群馬音楽センターで開かれた「第25回憲法記念日集会」に参加しました。メインの記念講演の始る前に、1947年5月3日の日本国憲法施行の日に発表されたという「憲法音頭」が、歌われ紹介されました。作詞サトウハチロウ、作曲中山晋平。その2番の歌詞は、次の通りです。
古いすげ笠 チョンホイナ
さらりとすてて
平和日本 花の笠
とんできた うぐいすひばり
鳴けば希望の 虹が出る ソレ
うれしいじゃないか ないか
この「憲法音頭」から、新しい憲法への希望と喜びを読み取ることは容易ですが、「古いすげ笠」をさらりと捨ててしまった日本国民の軽さに、その後の日本国憲法の苦難の歴史を予感させます。
勤続40年、67歳のオッド・ホルテンは、定年退職の日、人生初めての遅刻をしました。毎日、時計のような規則正しい生活をおくっていたホルテンが、人生の道草を食い始めたのです。
ノルウェーの、私よりちょっと先輩の、定年後の物語です。孤立して生活する人びとが、孤独とならずに、肩に力を入れることなく、定年前の非日常を取り戻して、さりげない生活を送っています。