尾瀬ヶ原は、春から初夏へ
尾瀬ヶ原は、春から初夏への移行期で、二つの季節の花たちがにぎやかに、咲き誇っていました。先週末、古くからの友人3人とともに、尾瀬ヶ原を散策してきました。湿原の白い妖精、水芭蕉をみることが楽しみでした。
しかし水芭蕉の花はすでに、最盛期を越えて終わり近くになっていました。それでも山の鼻近くの研究見本園では、その清楚な姿をみせており、目を楽しませてくれました。山小屋の人の話では、今年は暖冬で雪も少なく、例年よりも相当早い開花だったようです。
山の鼻の人の多さには、驚きました。環境省のデーターでは、尾瀬への入山者数は、6月の第1週あたりの週末が、1年で最も多いようです。ちなみに第2のピークが、ニッコウキスゲの咲く7月中旬の週末、そして第3ピークが、紅葉の10月上旬の週末となっています。背丈ほどの樹高の桜が咲いていました。タカミネザクラ(高嶺桜または峰桜)のようです。
鳩待峠から山の鼻への途中は、山に咲く花を楽しむことができます。シロネアオイ(白根葵)の花は、初見。淡紫色の大きな花は、園芸種の趣です。他にサンカヨウ、オオカメノキ、エンレイソウ、ミヤマエンレイソウなどが咲いていました。
入山者に尾瀬の自然を説明している案内人は従来、若い男女が多かったのですが、今回お目にかかったのは、シニアガイドばかりでした。植物の花の名前を教えたり行動注意を与えるところは、学校の先生が生徒を引率している感じ。牛首分岐を左折してヨッピの吊橋、東電小屋のコースを歩いたのですが、このあたり、タテヤマリンドウ(立山竜胆)があちこちに咲いていました。
牛首・竜宮コースと比べ、このコースはいつも人が少なく、のんびりと散策を楽しめます。池塘には、浮島とともに大きな雲が浮いていました。至福のひと時です。
ヨッピの吊橋手前の潅木林のなかに、小さな白い花をいっぱい着けた低木がありました。ズミ(棠梨)。同行者のひとりが植物に詳しく、名前がさっとでてくると、うれしくなります。が、さっと忘れて、再び聞き返すことたびたび。耳掻きの綿ボンボリに似たワタスゲ(綿菅)も、このあたりで多く見かけました。
東電小屋をでて赤田代分岐から左折し、温泉小屋に向かいましたが、この分岐の手前あたりに、イワカガミ(岩鏡)があちこちに咲いていました。12時に鳩待峠を出発し、温泉小屋に着いたのは5時。山男のS君が先導して一行を前へと引っ張り、写真撮りに多忙の私がみんなの足を引っ張って結局、5時間もかかってしまいました。 夜は久々においしいビールを飲み、昔話と健康と定年後を語り、9時には一同就寝。
朝4時起床。雨は止んでいます。カメラをもって朝の散歩に出掛けました。既に夜は明け、朝もやが山々を覆っています。燧ヶ岳を目指す幾組かのパーティーが、出掛けていきました。
この草原の針葉樹のよこに、フランスの民族服を着た少女を配したならば、コローの絵になるなあ、と独り言。尾瀬の早朝と夕方は、昼間とは違った景観を、楽しませてくれます。
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