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東京駅日本橋口から無料のシャトルバスに乗って、北の丸公園にある国立近代美術館に向かいました。現在、ゴーギャン展が開催されています。パスは満員で美術館の混雑を予感させましたが、幸い作品を他人(ひと)の頭越しに鑑賞するほどの混みようではありませんでした。作品は、ゴーギャンのみの50数点で、ゆっくりと鑑賞することができました。
陳舜臣著『小説十八史略』全6巻を読了。紀元前17世紀の殷の時代から紀元13世紀の南宋までの中国3000年の歴史を、文庫本にして3000ページ余に、『小説・・・』とは称しながらも実質的には史実に基づき、フィクションを混ぜないで書き記したものです。著者は当初、架空の人物も入れておもしろくしょうとしたのですが、中国史には「チャーミングな人物が犇(ひし)めき合って、架空の人物のはいる余地がない」ために構想を放棄しました。それらのチャーミングな人物群像は、歴代の中国王朝を切り拓き、引き継ぎ、崩壊させていった皇帝とその周囲の人びと、そしてそれらの内と外の敵と味方から構成されています。英雄と俗物、賢者と愚者、正義と卑怯、美女と醜女、恩義と裏切り、等々ありとあらゆるタイプの支配者群像が描かれます。