ニッコウキスゲの尾瀬
尾瀬ヶ原を訪ねました。家内をともなったのも久々ですが、ニッコウキスゲの咲き誇る尾瀬も、何年ぶりのことか、記憶も曖昧なほどです。5年前の7月末に行ったときには、開花中のものもなければ、その残滓すらありませんでした。6月に降りた季節はずれの霜のために、ニッコウキスゲをはじめ、ほとんどの花たちが被害を受けたためでした。
3日前のネット情報では、ニッコウキスゲが開花しはじめ見頃は来週末、ということでしたが写真の通り、今まさに真っ盛りでした。うす曇で終日ほとんど陽が差しませんでしたが、この花の群落周辺は、ぽうっと明るくひかっていました。途中会ったカメラマン(アマチャア?)は、今年の花つきは素晴らしくいいですね、と教えてくれました。
7月中旬の土曜日は、6月上旬の土曜日の次に、尾瀬を訪ねる人が多いそうです。恐らく来週の土曜日が、この時期としては、最も人が多いと予測されます。可能ならば、平日の尾瀬散策が、お勧めです。
ニッコウキスゲに負けず眼をひいたのは、カキツバタの群落でした。特に山の鼻界隈の群落は、見事です。この紫花の近くに、白色のワタスゲが風に遊んでいました。黄と紫と白の群落を同時に、同じ視界の中で楽しむことができました。しかし残念ながら、技術未熟のため、写真に表現することはできませんでした。
カキツバタの花は、濃い紫色の花弁の芯から白い斑紋がすっとのびています。どの花も口々に、「私を写真にとってちょうだい」と艶(なまめ)かしく語りかけてくる感じ。
花の大きさが1,2㎝の小さな花たちも、ニッコウキスゲやカキツバタに負けじと、咲き誇っていました。サワランとトキソウがちょうど見頃。先日安達太良山で見たウラジロヨウラクが、あちこちで見ることができました。ただ、安達太良山のものは2m前後の潅木でしたが、尾瀬ヶ原のものは、ほとんどが10~20㎝程度の小潅木。花色も紅がやや濃い。
ある池塘の水面に、オゼコウホネが2輪、咲いていました。姿を見せたのは、ここだけ。池塘の主人公は、小さなスイレン、ヒツジグサ。入山者の人気の的になっていました。
最後は、今日の大収穫。ショウキランをはじめて見ることができました。尾瀬の植物図鑑には、三条の滝周辺の森の中、笹の根元にある、と記されています。昨年と先月の2回、三条の滝へ行った時、笹の根元を眼をこらしてさんざん探したのですが、1本も見つかりませんでした。何とそれが、山の鼻の木道沿いにあったのです。しかも見つけたのは、探索者の私ではなくて家内でした。図鑑に「妖艶な美しい姿」と表現されていましたが、まさにそのとおりでした。
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