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2009年10月31日 (土)

映画『湖のほとりで』

Photo 森にかこまれた湖のほとりで、美しい少女の死体が、発見されます。この地に赴任したばかりの刑事サンツィオは、死体に争った形跡がないことから、顔見知りの犯行とみて、被害者周辺の村人に、捜査の手を伸ばしていきます。この犯人追跡の過程で、個々の家族と人々が、密やかにもっている悲しみが、徐々にあぶり出されます。
 イタリア映画『湖のほとりで』は、現代に生きる私たちが避けがたくもっている悲しみを、静かに描きだしました。

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2009年10月26日 (月)

薪能

 昨夜は、甘楽町の楽山園で薪能が上演され、観劇してきました。同町の発足50周年記念事業のひとつとして開催されたもの。朝から辺りは小雨に煙り、野外での開演は無理かなと思ったのですが、主催者の工夫によって、舞囃子など前半だけが、薪の燃えさかる庭園で上演され、狂言と能は、町の文化会館へ移動しての公演となりました。

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2009年10月24日 (土)

砂糖の入った茶が近代の幕を開いた

  17世紀になって初めてヨーロッパにもたらされた茶は、18世紀から19世紀にかけて、後発のイギリスにおいて飛躍的に普及し、社会的にも経済的にも不可欠の重要商品となりました。当初は、コーヒーハウスや宮廷での、一部特権階級の飲み物であったのですが、関税率の削減や輸入量の増加にともない茶価は大幅に下がり、一般家庭や大衆に受け入れられていきました。前回紹介したイギリスでの茶の普及をしめす緒指標が、このことを如実に示しています。
 では何故、茶がヨーロッパのなかでイギリス国民にこのように愛好され、飛躍的に普及していったのでしょうか。またその結果、何が起こったのでしょうか。角山 栄著『茶の世界史 緑茶の文化と紅茶の社会』に学びます。

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2009年10月22日 (木)

英国の茶論 レットサム著『茶の博物誌』を読む

Photo_2 東アジアの近・現代史を学ぼうと思います。日・韓(朝)・中とその周辺国の、19世紀から20世紀の歴史を、オーソドックスな歴史のテキスト、小説・評論等の文学作品、そしてテレビ・映画等の映像などから、思いつきと自由気ままをモットーに、学んでいきたい。
 それは何よりも、私自身の知的欲求を満たすことが第一義ですが、これから現実味を帯びていくことを強く予感させる東アジア共同体を、歴史的な文脈の中で理解していく手掛かりとなればと、考えています。

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2009年10月21日 (水)

谷川岳

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 定年退職を記念して何かしょうか、と家内に持ちかけたところ、「山へ登ろう」ということになりました。そこで今日、谷川岳に登りました。快晴の秋空のなか、心身ともに紺青色に染ってしまいそうな一日でした。

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2009年10月16日 (金)

もうひとつの密教の世界-チベット展から

Img_0001_1  定年退職の日、上野の森美術館で開催中の「聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝」展を見にいきました。この展覧会に対して、ダライ・ラマを支持する人たちは、チベットの真実の歴史を伝えていないとして、抗議のデモをしました。はたして展示は、チベットが歴史に登場した7世紀初めの吐蕃国から始まり、元・明を経て清の時代で終わっており、近・現代には触れていませんでした。
 ほとんどチベットについての知識がない私は、この抗議行動についてはコメントできませんが、先の中国旅行をきっかけに、中国の多面的な顔をできるだけ知りたいと思い、このチベット展に足を運びました。

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2009年10月10日 (土)

マルクスの眼で考える

Karl_marx  自公政権が崩壊し、民主党を中心とした連立政権が発足して、間もなく1ヶ月が経とうとしています。日々のネットやマスメディアから発せられるニュースには、旧政権時代の1年分、否、10年分以上に相当するほど数多くの、重要かつ関心の高い項目が、並んでいます。それらは、鳩山内閣による、政権交代のパフォーマンスを超えた政治の質の転換を、予感させます。
 こうした政治情勢を興味深くみながら、現代の政治と経済にプリンシプルにアプローチした、知的躍動感に富んだ極めて刺激的な新書に出会いました。不破哲三著『マルクスは生きている』(平凡社 09.5刊)。

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2009年10月 6日 (火)

翔天空・尾瀬アヤメ平の秋 その二

Img_2106_1  2日目は、早朝5時に起床、朝食のあと6時30分に山小屋を出発しました。わずかながら雲が切れ、東の空に晴れ間が見え始めました。コースは、「見晴し-竜宮-土場-富士見田代-アヤメ平-中原山-横田代-鳩待峠」の標準時間で6時間、距離12㎞、標高差500m余の登山行です。  

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2009年10月 5日 (月)

翔天空・尾瀬アヤメ平の秋 その一

Img_1895_1 週末は、年一度の心おきない友人たちとの、尾瀬散策。6回目の今年は初めて、竜宮-富士見田代-アヤメ平-鳩待峠の「天空の湿原コース」を歩きました。湿原は、草紅葉で明るく茶褐色に染まり、短い夏の間、私たちの目を楽しませてくれた湿原と森の植物たちは、赤や青や黒の美しい実をつ けて再び、自己アッピールに余念がありません。

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