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2009年11月 8日 (日)

定年後の日々

Img_2373_1  「定年後の日々」なんて文章を書くほどには未だ、定年後に十分に慣れていません。結構長い休みが続くなあ、といった感慨というか実感が、自分のいまの正直な感想かもしれません。谷崎風に言うならば、『猫と私と一人のおんな』の生活が(他に二頭の犬もいますが)、私の日常です。三者の関係は、私と女が、一匹の猫を取り合っている図です。猫が女にばかり甘えると、軽い嫉妬をおぼえます。庄造が、ふたりの女よりも、愛猫リリーに恋したのを、懐かしく思いだします。(谷崎潤一郎著『猫と庄造と二人のおんな』(新潮文庫刊)は、大好きな小説のひとつ) 

 定年前は、高崎・東京間の通勤だったので、往復3時間程度の読書時間が、確保できました。毎月、小説と月刊誌と新書(または文庫)を各一冊づつ、読むことができました。そして、記憶力の後退を補うために、読後、本の概要と感想をブログに書き留めるように、努めてきました。ただ出来なかったのは、テーマに沿った読書でした。
 そこで、定年にあたり、いくつかのテーマを、自分に課すことにしました。
 その1、東アジアの近・現代史の学習。いままで、まとまった勉強をしたことがありません。これは是非、やってみたい。タイミングよく、通史のテキストが発刊されました。
 三谷博・並木頼寿・月脚達彦編『大人のための近現代史 19世紀編』(東京大学出版会09.10.30刊)。本の帯に、同書発刊の趣旨が書かれています。
 「本書の題名にわざわざ「大人のために」という語を冠したのは、東アジアの近現代史を論ずる場合、とかく子供のための歴史教科書ばかりが注目されることに不満を感じていたからである。小さな学校教科書からはとうてい具体的な歴史状況を思い浮かべることはできない。ぜひ日本の大人に、人生経験に富む人々の手元に、読み応えのある本を届けたいと願った」。まさに、願ったり叶ったりの企画です。早速、アマゾンで注文しました。
 東アジアの近現代史の学習には、上の通史をテキストにし、それに日本、中国、朝鮮の小説と映画を挿入し、さらに芸術上の事件に関連した作品にも、触れていきたい。さて、この試みが何時まで持続するか、楽しみです。
 テーマの二つ目は、加藤周一著『日本文学史序説』(ちくま学芸文庫)をテキストに、日本の文学・思想・宗教の歴史を学ぶこと。この本は、『十七条憲法』や『記紀』『万葉集』からはじまり、各時代の代表的な文学作品を経て、現代の安部公房や大江健三郎に至るまでの、壮大なスケールの日本文化・思想史の書です。可能な限り対象となった作品を、現代語訳で読みたいと思います。古典については、ネットで検索可能なものについて、読みます。すでに「第1章 「万葉集」の時代」を、引用された詩歌をネットで検索し、万葉仮名・訓読・現代語訳のサイトも見つかり、読み始めたところです。こちらは、かなり長期の学習になる予感がします。
 上記のふたつのテーマを柱に、現在継続中の池澤夏樹個人編集「世界文学全集」を継続して読み続け、月間誌『世界』も継続していくつもりです。
 以上が定年後の、読書以外これといった趣味のない私の、主な時間の使い方の願望です。
 
 

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