柚子の実をママレードに
毎年11月になると、わが家は、柚子の香りでいっぱいになります。隣家から、とれたての大量の柚子の実を、いただくためです。だから、この時期の家内の仕事は、朝から晩まで、柚子のママレード作り一色になります。できあがったジャムは、来年の夏までの自家用と、近隣農家の農作物との物々交換用に使います。
みかん類の少ない北関東では、柚子は貴重な柑橘類ですが、このあたりでは、一部が市場や即売所へ出荷されるだけで、残りはほとんど放置されます。人にもカラスにも相手にされなくなった柚子の実は、里山の畑でただただ、腐っていくばかりです。なんとも勿体ない、そこで、ジャム作りを始めたのです。
勿体ないといえば、タケノコです。5月の連休前後には、孟宗竹のタケノコが一斉に、竹林の土中から顔をのぞかせます。農家は、即売所への出荷や自家用に収穫しますが、圧倒的に多くのタケノコが、竹として成長していきます。真竹のタケノコは、孟宗竹以上に、未利用のまま成長し、超過密の竹林を形成していきます。
先に云った物々交換は、農産物をいただいたお礼に、柚子ジャムを差し上げるのですが、するとまた、別の農作物をいただくという循環のことです。そのなかで、量的に秋の柚子に匹敵するのが、タケノコです。いちど、1週間ぶち抜きで、タケノコ料理三昧を体験しましたが、家内が身体中を、痒みから引っ掻きまわす事態となって、中止したことがあります。そこで考え付いたのが、タケノコの瓶詰めです。これもどうってことのない加工方法で、翌年までのタケノコが確保できます。こちらの本格的な取り組みは、来年からのテーマです。
次の日曜日、区の公民館で、「柚子ママレードの作り方教室」を開くことになりました。竹林をなんとかしょうよ、と集まった男たちの嫁さん連中が集まり、開催することになりました。来年は勿論、このグループを核にして、タケノコの瓶詰めにも挑戦してみたい。里山の暮らしがすこしは、おもしろくなってきました。
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