涼求めて里山散策
梅雨明け後連日、35℃越えの猛暑日が続き、身体の置き場所もなくただただ、家の中をうろうろするばかり。犬たちは、日陰の地面を掘って寝そべり、猫は萩の木の根元にもぐり込んで、涼を求めています。今朝は、昨夜の雷雨の恵みで庭の木々は生きかえり、蜘蛛たちがいっせいに巣を張りめぐらせました。その蜘蛛の巣に朝日が照り、美しい紋様を見せてくれます。
6時前の早朝は、さすがに涼しい。犬たちを連れて、向かいの山に、散歩に出かけました。地元の人たちが「どうしょう坂」と呼んでいる坂の真ん中あたりに、大きな瘤状のクヌギの切り株があります。盛夏には、樹液をもとめて昆虫たちが、飛来してきます。今朝も、カブトムシ、クワガタ、カナブン、アシナガバチ、スズメバチなどが一堂に会し、ところ狭しと樹液を吸っています。
しばらく様子をみていると、もっとも威張り散らしているのは、スズメバチのようです。カブトムシやカナブンを押しのけて、場所を横取りしました。 そこにやや大型の蝶が飛んできました。スズメバチを押しのけて、樹液を吸い始めました。この蝶の翅は、光沢のある紫色をしており、びっくりするほど美しい。この蝶のすぐ近くに、もう1匹飛んできました。身体はひとまわり大きく、翅色は茶色でした。雌雄つがいのようです。
こちらの方はまもなく、パタパタパタと大きな翅音をたてて飛びたちました。スズメバチの襲撃を警戒しながら、こわごわの態で写真を撮りました。ネットで検索したところ、オオムラサキだとわかりました。準絶滅危惧種だということですが、私たちの里山にも生息していたのです。また、国蝶だということですが、分布は東アジア一円に拡がっているようです。
隣家の前庭に咲いているラヴェンダの花に、やはり番の蝶が一組、飛来してきていました。こちらは、ツマグロヒョウモン。ヒョウモン蝶だと思って調べたところ、雌の翅色からツマグロヒョウモンだとわかりました。 左が雄、下が雌。ウィキペディアによれば、1980年代までは近畿地方以西にしか見られなかったのが、90年代以降生育域が北上し、06年現在、「北関東でもほぼ定着し、普通種になりつつある」とのこと。ほんのつい最近、このあたりに定着したということです。何万年何億年と続いてきた自然の営みが、現在急激に変化していることの証しなのかもしれません。
こちらの番には、スズメバチが随伴しておらず、クマバチが1匹、如何にものどかに、ラヴェンダの花の蜜を吸っています。クマバチは藤の花に飛来して馴染みであり、スズメバチのように人に向かって襲ったり威嚇飛行をしたりすることはありませんので、安心です。ビロードの手触りの黄色い胴と背中は、かわいい。
今、雷とともに大粒の雨が、降り始めました。早い時間帯での雷雨です。気温は30度をわりました。今夜は梅雨明け後はじめての、過ごしよい夜になりそうです。
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