« 初秋の関西へ-中- | トップページ | 山里は一気に、秋になりました »

2010年9月21日 (火)

初秋の関西へ-下-

Img_6954_1_2 2日目午前中までに京都、奈良を訪ね、その日の午後、最後の目的地、大阪の河内長野へ行きました。大学時代の友人が集まり、「カンファレンス・イン・カワチナガノ」と称した研究会(中身は仲良し倶楽部の同窓会)を開こうというもの。参加者の各々が一応、テーマを持って報告することになっています。(写真は、岩湧寺参道のシュウカイドウ・秋海棠の群生地)。

Img_6961_1  最初に、大学農学部で長年学究生活を送った友人が、報告しました。昨年は研究テーマであった東南アジア農業について報告しましたが、今回は、教育面での集大成として、栽培学について、学生に配布した膨大な資料をもとに、「講義」しました。久々に「聴講」した栽培学は、中身の理解は兎も角、なかなか面白かった。「栽培とは土作りである」ことを、30数年の作物学研究を経てあらためて認識をした、と強調しました。退職後は、300坪ほどの畑を借地して、野菜を栽培すると意気込んでいました。Img_6962_1
 二番目の報告者は、数年前に小学校校長を最後にリタイアし、現在、小説家としての日々をおくっている友人でした。学生時代、彼の処女作を読んだ記憶がありますが、内容はよく覚えていません。今回、「堺自由都市文学賞」の佳作に選ばれ、元気いっぱいです。田辺聖子さんや藤本義一さんが審査員になっている、関西では著名な文学賞のようです。彼は、近くの私立大学の聴講生ともなり、新しい知識と感性を育むことも、怠りません。自分より若い担当の先生から、学生の試験立会いを頼まれたりして、結構役立ちながら、楽しんでいるようです。
Img_6960_1 三番目は私。このブログにも度々記事にしてきた、竹林整備活動と地域コミュニティづくりについて報告しました。活動には無関係の友人たち相手ですが、こうした外部発信によって、私が地域コミュニティ・コミットメントの決意表明をし、自分自身の背中をみずから押している感じがします。
 最後の報告者は、退職後、ISO(国際標準化機構)の審査員を務める友人。彼女は、大学院修了後ずっと、生協組織で食品安全に関する検査・研究業務に携わってきました。今回は、ISOとその審査員の実務について、報告しました。Img_6967_1ISOについては、工場経験のないものには、実感として分かりづらい。例えば品質保証について。クライアントの工場が自ら品質基準を決定し、その基準どおりに業務を遂行しているか否かを審査する。問題点があれば指摘する。就業は、審査員が認証機関に所属し、クライアントからの委託により審査業務を請負う、という形態をとる。簡単に云えばこんなところですが、業務内容は、なかなか大変なようです。毎日旅から旅へ、準備と後始末もなかなか厄介、そのうえ、委託料も決して多くはない。しかも、競争は激しい。ただ、仕事は楽しい。思考力と推理力がたえず試される。Img_6945_1彼女は、苦労しながらも、結構楽しく、エキサイティングな日々を送っているようです。
 カンファレンス・イン・カワチナガノは、こんな風にして終りました。勿論、仲良し倶楽部の同窓会ですから、夜の宴席では、上の諸々の報告を吹っ飛ばすほどに愉快な時間を、たっぷり過ごすことができました。

 終ったあと、地元に住む小説家君が、岩湧山山腹にある岩湧寺に、案内してくれました。Img_6944_1寺の参道に生えていたシュウカイドウの群落に、驚きかつ興奮しました。群馬の家の近くに咲いているこの花は、たったふた株のみ。 こんなに沢山のシュウカイドウの花を見たのは、今回が初めてです。小さなこぼれ日に輝く淡いピンクの花は、とりわけ美しい。雌雄同株異花の多年生の球根植物。淡いピンクの花弁に黄色の毬状の雄蕊をつけたのが雄花。濃いピンクの方が、雌花。今回の3日間にわたる関西への旅の最後を、美しい秋海棠の花が、彩りを添えてくれました。小説家君の素晴らしい企画に、感謝。そして、文学賞佳作入賞、おめでとう! 古い友人たちの新しい挑戦に、乾杯!!!

« 初秋の関西へ-中- | トップページ | 山里は一気に、秋になりました »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 初秋の関西へ-下-:

« 初秋の関西へ-中- | トップページ | 山里は一気に、秋になりました »