« 2010年9月 | トップページ | 2010年11月 »
27日朝、未明に降った雪が、木道を真っ白に染めていました。窓外の気温マイナス2℃。尾瀬の初雪ですが、例年に比べ今年はやや遅い、と山小屋の若い女性従業員が云いました。微細な粉雪がまだ、舞っていました。前日の服装の上にセーターを重ね着し、さらに上下の雨衣を着込んで、7時10分、竜宮小屋を出発。
続きを読む "尾瀬は晩秋から初冬へ-下-" »
一昨日(10/26)昨日(10/27)の2日間、友人3人とともに、尾瀬を散策してきました。コースは、鳩待峠-アヤメ平-竜宮-見晴-沼尻-尾瀬沼ビジターセンター-三平峠-大清水の間で、全長27.2㎞にわたるやや長丁場の山歩きでした。散策路での樹々の紅葉は、三平峠から大清水への下山途中を除くとほぼ終わり、季節は晩秋から初冬へと移りゆきつつありました。
続きを読む "尾瀬は晩秋から初冬へ-上-" »
写真家でドキュメンタリー作家であるレイモン・ドゥバルドンは10年余にわたって、南フランスの山間部の村々を訪ね、そこに住む農民たちと交流しながら、彼らにカメラを向けてきました。これら山間の厳しい環境のなかで、農民たちは、山羊を放牧し酪農を営んでいます。作家の関心事は、今後、これらの農家が生き残れるのかどうか、ということでした。(写真はドキュメンタリー映画『モダン・ライフ』から)
続きを読む "ドキュメンタリー映画『モダン・ライフ』" »
1ヶ月ほど前、NHKテレビ(BShi)で『よみがえる作家の声 武田泰淳』という番組を見ました。NHKが録音・保存してきた作家の自作朗読と、作品にまつわる映像や作家ゆかりの場所を紹介するシリーズのひとつです。作品は、武田泰淳の代表作のひとつ『森と湖のまつり』でした。私の好きな小説のひとつです。
続きを読む "武田泰淳著『森と湖のまつり』再読" »
昨年の秋、実質的に定年退職したのですが、この1年は週1回会社へ顔をだし、仕事の燃えさしがくすぶるような状態で過ごしてきました。そして先週、この週1回の通勤も解消し、完全な定年退職となりました。すべての時間が、自分のものとなる筈です。そのように過ごしたい。
続きを読む "秋祭り、そして講演会『小栗上野介の虚像と実像』" »
長閑(のどか)な休日です。窓外の小さな棚田沿いの農道を、近くの農婦が稲架(はさ)掛け用の竹をかついで、歩いていきます。この辺りの稲作農家は、耕作面積が小さく、ほとんどが飯米農家なので、刈り取った稲穂の束は、稲架に掛けて天日干しにします。このほうが美味であることを、彼らは強く確信しています。この時期、農家は多忙です。
続きを読む "秋日閑暇" »
日曜日の夕方、甘楽町の薪能を観にいきました。雨模様の天気のため、昨年同様、町の文化会館での公演となりました。この日の演目は、狂言は「清水」、能は「殺生石」。「清水」は昨年と同じ演目ですが、今年は野村万作が太郎冠者を演じます。能の「殺生石」は、宝生流家元の宝生和英と辰巳満次郎他が出演します。当代を代表する能楽師による能と狂言を、年一度であれ、地元で手軽に観劇することができ、ありがたい。
続きを読む "加藤周一と観る「能と狂言」" »
井上ひさしの最後の長編小説『一週間』を読み終えた日の翌日、偶然に、NHKの『16歳のシベリア抑留~“偽りの連行”を追う』(目撃日本列島10/2放映)という番組をみました。60万人ともいわれるシベリア抑留者のなかに、旧制中学生であった16歳の少年たちが26人もいたこと、彼らは日本人元将校の「内地へ」という偽りの言葉によって連行されたこと、そしてこの事実は戦後65年間、研究者たちにも知られておらず、この春、当の「少年」の一人のNHKへの手記の提供で初めて明らかになったこと、を知りました。
続きを読む "井上ひさし著『一週間』-シベリア抑留の深奥に迫る-" »