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2011年2月 7日 (月)

樹の涙、そして竹炭のこと 

Img_8910_1_5  数日前に剪定したヤマモミジの樹から、樹液が滴り落ちています。のこぎりで切断した傷口から、流れ出しているのです。その樹液を、山からおりてきたメジロやエナガが、ついばんでいます。その液を指先につけて舐めてみると、ほんの少し、甘い感じがしました。

P1130889_1_6  先月末の日曜日、新しくできた炭窯で、孟宗竹の竹炭づくりを開始しました。その1週間前から、古い椎茸ほだ木を燃やして窯を温めておき、窯に入れる孟宗竹を、90㎝の長さに切って節に穴をあける作業を、済ませておきました。炭窯の近くの竹林の床には、ヤブコウジ(藪柑子)の紅い実がひっそりと、生っていました。
P1140046_1_18 定刻9時には、メンバー15名が集まり、早速、準備された竹を、窯に入れました。竹は、隙間の空くことなく、垂直に立てて並べられます。竹を窯の中一杯に詰めた後、炭焼き室と点火室の間に、5cmほどの隙間をあけて壁をつくり、次に点火室に木切れや竹切れとともに薪をいれて、点火室も閉じます。
P1130910_1_3  そして11時30分、点火。室内の竹や木の切れっぱしとともに薪にも火がつき、点火室の炎はさかんに、燃え上がりました。この炎が炭焼き室に侵入し、内部の竹に引火すれば、あとは目的の竹が、炭焼き室で蒸し焼きにされるのです。おそらく、点火後30分から1時間の間に、竹に着火したものとP1140075_1_3おもわれます。
 この後は、ただひたすらに、煙の様子を観察します。写真は、点火5時間後ほどの煙の様子です。煙に手をかざしてみると、数秒間じっとしていても熱さに耐えられ、手の平は煙に含まれていた水分で、湿気を帯びました。煙は、竹に含まれていた水分を、たっぷり含んでいるのです。P1140095_1_3
 翌朝7時に、煙の様子を見に、炭窯にいきました。煙がもくもくと立っていて、安心しました。先生から、焼き上がりは24時間前後と聞いてはいたのですが、何といっても初体験なので、正直心配でした。写真は、点火20時間目の煙です。前日夕方の様子と、さほど変わりません。P1140105_1_4 
 さらに90分後、煙の色は急速に、薄くなってきました。ただ、風の吹き具合によって、時には、水蒸気を含んだ白煙を、吐き出しています。いずれにせよ、最終段階に入りつつあるようです。地元でプレス工場を経営しているメンバーに声をかけ、二人で、煙を観察することしました。
P1140128_1 11時30分、点火から丸一日、24時間後の煙です。色はぐっと薄く、水分も減りました。朝から煙の様子を観察していた相棒と私は、私がいま少し待って、といえば相棒は、もういいのではないか、と急ぎます。一方が、焼き過ぎによって灰となるのを心配し、他方は、なま焼きを懸念したのです。そこで、空気の吸い込み口を閉じ、煙突はそのままとしました。何の根拠もなく、二人で妥協し合ったのです。吸い込み口を閉じると、再び白煙が立ち込み始め、やっぱりまだだ、と迷います。P1140143_1_3そして13時、点火後25時間30分、煙は紫煙となり、やがて見えなくなり、陽炎が漂うようになりました。確信をもって、二人して完了宣言。その時丁度、先生もこられており、煙突を外して、煙の吐き出し口を濡れ雑巾で閉じました。これで、炭焼き窯は、完全に密封されたことになります。この状態で1週間、置くことになりました。はたしてその時、出来上がってくるのは、炭なのか灰なのか。山冠よ、消えないでおくれ。

P1140176_1_2  2月6日日曜日、再び、炭焼きの男たちが、集まってきました。早速、炭窯の点火室を崩し、炭窯の内部を見ました。手前には、白い灰が溜まっていますが、奥の方には、どうやら竹炭の姿が、見えるようです。窯の内部は未だ、温かいようです。みんなが、期待感にわくわくしている感覚が、伝わってきます。そしてついに、竹炭を窯から出す作業が始まりました。P1140189_1
 出てきた成果品は、4つの形態に分類できます。灰と竹の形を残した完成品、その間に、粉砕された竹炭と一部欠いた竹炭がありました。灰を除き、どれもこれも、メンバーは大喜びでした。家庭園芸をやっている仲間は、粉砕炭をかき集めますし、部屋に飾ろうという人は、完成品を持って帰りました。市会議員をやつているメンバーは、市役所の支所玄関に飾ろうと、張り切って帰りました。
 出来上がった竹炭をみて、意外とうまくいったなあ、と云う感慨とともに、いやまだまだだ、という反省心が涌いてきました。完成品の歩留まりを、どのように上げるか。表面の斑(まだら)や点々と着いた油脂跡の防止。焼き過ぎと焼き不足の同時解消。そして、竹の姿そのままの、漆黒にひかる竹炭が、どうすればできるのか。これから、試行錯誤がつづきます。

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コメント

初めてですよね!
おめでとうかな、なんだか私は嬉しくなりました。
腰を労りつつ継続してください。

コメントありがとうございます。
私たちと一緒に喜んでいただいて、よかった。

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