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2011年4月 7日 (木)

原発および原発事故をネットで読む

  昨日の衆院経済産業委員会において、共産党の吉井英勝議員は、今回の福島原発事故の原因について、政府にただしました(衆院ホームページ:①左カレンダーで「4/6」、②会議名で「経済産業委員会」、③吉井英勝をそれぞれクリック)。ポイントは二点。ひとつは、同議員が5年前から警告してきた「津波による電源喪失事故」について、政府は一貫して、その可能性を否定してきたことについて、ふたつめは、地震・津波発生直後、原発の炉心溶融と水素爆発を防ぐために、東電と政府が適切な初動対応をとったかどうかについて。

 前者について、政府の原子力安全・保安院や原子力安全委員会のトップは、電源喪失をあり得ないとしてきた過去の認識について過ちを認め、謝罪しました。また、後者については、明確な回答を避けながらも、実質的に、対応が遅れたことを認めました。

 ここ数日、マスメディアの関心はもっぱら、放射能汚染水の流出問題に集中していましたが、今度はやや唐突に、1号機の爆発防止のために窒素ガスを注入し始めたと報じました。これに関連して、論説サイトちきゅう座は、ニューヨークタイムズ電子版(日本時間6日)の報じた米原子力規制委員会の福島第一原発の現状評価文書のことを伝えています。それによれば、「福島原発で最優先で進められている核燃料を冷却する注水が、新たな原子炉本体破壊の危険性を生み出している」というもの。大きな余震によって、格納容器が水の重みに耐え切れずに破壊され、内部の高濃度の放射性物質が放出される可能性を指摘したものです。そして1号機が最も懸念される、としています。また1号機では、再度水蒸気爆発の恐れがあるため、原子力規制委は、窒素ガス注入を助言しました。
 
 この1号機について、京大原子炉実験所・助教の小出裕章さんは、大阪毎日放送ラジオにおいて、再臨界の可能性を指摘しています。京大原子炉実験所の小出さんたちのグループは、脱原発の立場で活動してきた異端の研究者たち。その姿を追いかけた2008年制作の映像「何故警告を続けるのか-京大原子炉実験所"異端"の研究者たち」も、福島原発事故の渦中にこそ、是非見ておきたい作品です。

 ネチズン・カレッジの加藤哲郎さんのブログで、2本の原発関連のNHKドキュメンタリー番組が、紹介されています。「原発導入のシナリオ:冷戦下の対日原子力戦略」(1994年放映)と「原子炉解体:放射性廃棄物をどうする」(1988年制作)の2本です。前者は、日本の原発導入が、アメリカの核の世界戦略のもとですすめられ、読売新聞社主・正力松太郎が中心的役割を果たしたことが、描かれています。後者は、チェルノブイリ原発事故後に制作されたもので、原子炉解体とそこから出る大量の放射性廃棄物の処分が極めて困難なことを、米国やカナダでの先行事例にもとづいて、鋭く指摘しています。これらについても、是非見ておきたいし、記憶にとどめておきたいことです。

 福島原発事故は、深刻の度を増している、と言わざるを得ません。大地震と大津波の被災地ニュースに未だ涙しながら、原発事故の不安と恐怖に、心の落ち着きを取り戻すことができません。福島原発の事故現場で、高濃度放射線に曝されながら、回復に取り組んでいるすべての人びとが、一日でも早く無事に職務達成されることを、心から祈ります。勿論、危険水準での被曝下での作業を強いられる時は、勇気をもって職場放棄されることを願います。これ以上決して、犠牲者を出してほしくありません。

 いま、強い地震がありました。仙台は、震度6強です。津波警報が出ています。被災地の皆さんの上に、この地震が、再び災厄をもたらさないことを、切に切に願います。

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コメント

原子力災害も予断を許さない状況で心配です。いろいろな情報をいただき参考になりますが現場サイドからの次の情報もあります。
平井憲夫氏の「原発がどんなものか知って欲しい」は現場監督の立場からの告発で今から15年前の1996年に書かれ氏は翌年亡くなっています。今日の状況を予言しているようで衝撃的でした。
特殊な分野だけに熟練した現場作業員が少ない、育たないと言う問題も頷けるものです。それにしても東電の記者会見等の対応力は一流企業にしては誠にお粗末ですが、これは勝俣会長が超ワンマンでしっかりした社員を排除してきた咎が出たと言われています。
危機管理対応は組織の健全性を計る一つのバロメーターと言えますね。

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