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英国人旅行家イザベラ・バード(1831-1904)は、1878年(明治11年)5月、サンフランシスコ・上海を経由して、横浜港に到着しました。「ほんとうの日本の姿」を見たいとして、東北・北海道の奥地旅行を企図します。彼女は、6月10日東京を発ち、東北地方を北上して青森に至り、さらに船で函館へ渡って道南を海岸沿いにめぐり、函館に戻りました。帰路は、函館で乗船し、9月17日横浜に到着。丁度100日間にわたる日本奥地旅行でした。この間の陸上での移動距離は、約1,600キロメートル。18歳の日本人男性を通訳兼案内人として雇い、主に馬と徒歩による長旅でした。(イザベラ・バード著『日本奥地旅行』平凡社ライブラリー、2000年刊より)
今月末、友人とともに、北海道東部を旅行する予定です。武田泰淳の小説『森と湖のまつり』の舞台を訪ねよう、との趣旨です。小説の主人公たちは、1954年9月23日から30日までの1週間、阿寒湖-美幌-屈斜路湖-弟子屈-釧路-標津-塘路を、忙しく移動しました。私たちも、ほぼ同時季に、これらの地を訪ねる計画です。大震災のあと中止を考えたのですが、この旅行を切っ掛けに新しく日常を取り戻そう、と思い直しました。