3・11さよなら原発アクション in 群馬
鬼剣舞や念仏踊りなど東北の芸能は、不幸な死によって亡くなった人の鎮魂をテーマとするという。この場合の鎮魂は、「たましずめ」ではなく「たまふるい」。「安らかにお眠りください」で済ませず、「どうか眠らないで目を覚まし、あなたのつらかつたこと、苦しかったこと、悲しかったことを、わたしたちにお伝えください。わたしたちがきっとその意志を受け継ぎます」と、激しい所作で語りかける。これが東北の祭りの魂である。(片岡 龍 稿『悲しみを抱えて生きる』から「世界」4月号)
昨日、3・11脱原発集会に参加しました。昼過ぎ、会場の高崎城址公園では既に、集会前のコンサートがはじまっており、多くの参加者が、舞台に見入っていました。会場には、共産党の幟にまじって原水禁や社民党のものも見えます。労組や生協、農民組合も熱心に参加しています。団体に属さない個人参加も、大変多い。幼児や児童を連れた若い母親や父親の姿が、目を引きました。主催者によれば、参加者数は2500人とのこと。おそらく、群馬県の脱原発集会としては、最大規模だったと思います。
12時30分、開会に先立ち、黙祷。参加者全員が立ち上がり、東日本大震災と原発事故によって亡くなった人びとの冥福を祈りました。このとき、「たま(魂)ふるい」のことをふっと思い出し、死者たちの無念の思いに耳をかたむけようとしました。
集会では、医師、保育士、生協職員、県議、福島からの避難者など、おもに個人の立場からの発言がありました。保育士の女性は、幼児や母親たちとともに壇上に立ち、「外で思いっきり遊びたい!遊ばせたい!」と訴えました。避難者の女性は、苦しい避難生活をおくりつつも、いまなお避難したことの是非について迷っていると語りました。高木久仁子さんは、夫の高木仁三郎さんがいつも、群馬の豊かな自然を心に脱原発運動をしていた、と紹介しました。共産党の県議は、20名ほどの県議たちとともに壇上に上がり、今日は党派を超えて、「脱原発」の一点に一致して参加したと挨拶し、会場から大きな拍手をうけました。その直前、自民党県議が、ひたすら自然エネルギー開発を訴えて会場から野次られ、「うるさい!黙れ!」と恫喝まがいの発言をしました。この県議は、中・長期的に原発を自然エネルギーに変えていくべきだ、と発言したのです。論理的には原発再稼動あり、ということになります。はっきりは聞こえなかったのですが、野次は多分、そのようなことだったのではないかと思います。
1時間ほどの集会のあと、市内デモに移りました。高崎名物の大達磨を載せた軽4輪車を先頭に、高崎城址公園-高崎駅西口-高島屋-音楽センター-城址公園と歩く一周コースを、デモ隊は進みました。高崎駅西口周辺は、日曜日の昼過ぎとあって、街行く人びとを見かけたのですが、その他のところは、ほとんど歩行者の姿がありません。「原発はんた~い」のシュプレヒコールが、無人の街にひびき渡りました。それでも、老若男女多様な参加者は、元気よく「原発再稼動はんた~い!」と、声を精一杯に張り上げました。
1時間ほどのデモのあと城址公園にもどってきて、14時46分、参加者全員で再び黙祷しました。
この日の「集会宣言」を、以下に書き留めます。
集会宣言
「お墓に避難します」と遺書を残して自殺した93歳のあばあさん。「私は大人になれますか」と心配する小学生。16万人が未だに故郷を追われたまま・・・・・福島第一原発事故は、すべての日本人に数百年におよぶ被害をもたらしました。群馬県も放射能に広範囲に汚染されています。健康被害がこれから益々深刻化するであろうことは、チェルノブイリ原発事故の経過を見れば明らかです。
過酷な事故の危険性が指摘されていたのに、安全神話を振りまき、原発を推進してきた政府、電力会社などの「原子力ムラ」の責任は重大です。にもかかわらず彼らは、事故の収束も、原因解明もされていないのに、原発再稼動をすすめようとしています。
今日、事故一周年の3・11を迎えました。私たちは、亡くなられた方々を追悼し、福島の人々の苦しみを分かち合い連帯し、私たちの暮らしと子どもたちの未来を守るためにここに集いました。
私たちは、原子力発電からの完全な撤退を求めます。原発を再稼動させず、核燃料再処理システムを断念させましょう。
政府・東京電力に、事故収束に向けた万全な対応とすべての被害の完全な保障、放射能から国民、とりわけ子どもたちを守る万全の対策を求めましょう。
県や各自治体は総合的な放射能対策を立て農産物や食品の放射能測定、除染をすることを求めます。私たちは、日本から原発のなくなる日まで行動しつづけます。
2012年3月11日 力あわせる200万群馬 3・11さよなら原発アクション・参加者一同
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