タケノコの季節、放射能汚染の心配
ここ西上州の里山にも、タケノコの季節がやってきました。整備中の竹林に入いると、林床のあちこちで、タケノコが地表に頭をもたげ出しています。今年は冬の寒さのため、梅や桜の開花は大幅に遅れたのですが、タケノコは、ここ2ヶ月ほど降雨に恵まれ、順調な生育振りです。少雨のため不作だった昨年と比べ、1週間から10日ほど、早いようです。
気になるのは、放射能汚染。昨年の今頃は、ホウレンソウやカキナの出荷が制限され、現在も、群馬県内の一部地域で、野生のフキノトウの出荷やワカサギ・ヤマメなどの淡水魚の捕獲が自粛されています。いずれも、4月からの新基準(100ベクレル/㎏)を超えたため。さて、タケノコはどうなのか。県のホームページで確認したところ、4月5日高崎市内採取のタケノコ検査では、不検出、とありました(検査機器の検出限界値10Bq/㎏)。さらに、4月20日の検査でも、不検出とあります(こちらは簡易検査のため検出限界値30Bq/㎏)。高崎市の検査地は、いずれも自宅近くの竹林のもの。まずは、60歳を過ぎた私たちが食べる分には問題ないとして、走りのタケノコをご馳走になりました。つい先日食べた、昨年産の瓶詰めタケノコと比べてみて、香りがまるで違います。新茶の香り同様、新タケノコの香りは、この時期だけのもの。
高崎市が、空間放射線量を測定する機器を4月16日から、市民に貸し出し始めました。その初日、早速、測定機器を借り出して、自宅と周辺の放射線量を測ってみました。測定結果は、以下の通りでした(測定機器:堀場製作所製「環境放射能モニターPA-1000Radi」。各所5回測定の平均値。単位μSv/h)。
地上0㎝ 50㎝ 100㎝
自宅 居間 0.058 0.067 0.061
寝室 0.063 0.067 0.068
浴室 0.090 0.079 0.075(窓開放)
庭 植込み下 0.078 0.090 0.073
かまど脇 0.167 0.093 0.078
近所 小屋雨とい下 0.506 0.212 0.082
竹林 竹の焼却地 0.229 0.201 0.171
竹林内 0.132 0.101 0.095
当然のことながら、建物の中と外では、中が低く外が高い。地上からの高さによる差異は、室内では出なかったが、外では植込み下以外では、かなり明確に出ました。かまどや焼却場、雨とい下は相対的に高く、今回の測定の最高値は、雨とい下地上0㎝の0.506μSv/hでした。環境省の除染基準では、地上50~100㎝で0.23μSv/h以上を要除染地点としているので、小屋雨とい下は、ぎりぎりで除染を必要としない、ということになります。ただ、関東でもっとも厳しい桶川市の除染基準からいくと、地表面で0.19μSv/hとしているので、決して安心という水準ではありません。福島原発事故による放射能汚染が、原発から200㎞以上離れた群馬の地でも、ここまではっきりと出ているのを自ら知り、放射能汚染地域の広範さを、再確認しました。まさに、日本列島のほとんどの地域が、原発の影響から逃げることのできない、原発立地圏内にあるのです。
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