晩秋の里山
まず、上り坂沿いの斜面に、つる性植物の柿色の実がなっていました。ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)。有毒で、鳥たちは食べないようです。
尾根筋を歩いていくと、道ばたにサンキライ(山帰来)の赤い実が、ありました。その名前よく、姿かたちもよいことから、陶磁器や塗り物のデザインによく使われます。しかし、このあたりでは最近、少なくなりました。
近くの里山には、ヤマザクラ(山桜)やコナラ(小楢)に混じって、常緑高木が幾種類か生えています。そのひとつシロダモ(白だも)の木に、紅い実がなっていました。春のウサギの耳そっくりの黄褐色の若葉もかわいいですが、この紅い実もなかなかいい。
竹と雑木からなるうす暗い混交林のなかに、土産の肩叩きかトウモロコシの実に似た妙な形の実がありました。マムシグサ(蝮草)。春、直立した花(苞)が、蝮の頭に似ています。
切り通しの低い崖に、赤い実をいっぱい着けた落葉潅木がありました。すでに大方の葉は落ちていましたが、枝に残った紅葉した葉を写真にとって、帰宅後ネットで検索したところ、コバノガマズミ(小葉の莢蒾)だとわかりました。春先、枝先に小さな白い花をたくさん着けていた低い木を、思い出しました。
コバノガマズミの根元近くに、小さな実をつけた高さ5㎝ほどの小低木がありました。ヤブコウジ(藪柑子)。整備中の竹林で、太陽の光がさすようになって増えてきた植物のひとつです。別名、十両。
「赤い実」を求めた散策の帰路、下り坂にあったコナラの幹につる性の植物が絡まり、その先端に、かわいい莢(さや)マメが下がっていました。ネット検索の結果、ヤブマメ(藪豆)のようです。莢のなかの豆が、なんともかわいい。
いま里では、ナンテン、ビラカンサ、ニシキギ、アオキ、ハナミズキなどの庭の木々に、赤い実がたわわに実っています。そして里山では、1時間余の散策でこれだけ豊かで多様な赤い実を見ることができました。われらが里山もまだ、捨てたものではありません。
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