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2014年7月 8日 (火)

鬱陶しい日々

 雨天がつづきます。前橋市の6月の降水量は、過去100年では最多を記録しました(気象庁・過去の気象データーから)。田植えの最盛期となる6月前半、ここ里山では水田のほとんどが雨水たよりの天水田のため、稲作農家にとって雨降りは大歓迎でした。しかし、水稲もある程度生長し夏野菜の出荷時期となる7月ともなると、低温と日照不足による生育不良が懸念されだします。だから朝の挨拶も、「いい雨ですね」から「よく降りますね」へかわりました。
Img_3228(鬱陶しい梅雨期、森の中ではキノコ類が、水気をいっぱい浴びて、わが世の春を謳歌してます。色彩・形状ともにユニークで、「食」を意識しなければ、山野草の花同様に、美しくおもしろい。ニオイコベニタケ(臭小紅茸)?)

 鬱陶しいのは、梅雨の長雨の所為(せい)だけではありません。安倍内閣による集団的自衛権行使容認の閣議決定には、鬱陶しさにくわえ息苦しささえ感じさせられます。連日テレビのニュース番組に映しだされる安倍晋三の浮腫(むく)んだ顔と平気で嘘を云って恥じない小さな口元には、激しい嫌悪感すら覚えます。閣議決定の翌日、琉球新報社説はこの内閣の所業を、「立憲主義と法治国家の否定で、内閣による国民からの主権簒奪、クーデターに等しい暴挙だ」と、最大限の言葉で厳しく批判しました。

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(山道わきの法面に、華奢な姿をした純白のキノコが、数本立っていました。1,2日で生長し変化する姿がおもしろい。ドクツルタケ(毒鶴茸)か? 別名「悪魔の天使」とも呼ばれ、猛毒だとのこと。)

 かつて作家の椎名麟三は、憲法改正問題について、その改正が現行憲法の基本条項である国民主権、基本的人権の尊重および平和主義にまで手を触れるとなると、たとえ憲法で定める各議院の総議員の三分の二以上の賛成で発議され国民投票の過半数の賛成を得たとしても、それは「現行憲法の死刑の宣告」であり「現行憲法の合法的なクーデターであり、ある種の革命だといっていい」と評しました。なぜなら、憲法前文において、これらの基本条項に反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する、と定めているからです。(椎名稿『憲法の廃棄』「世界」1962年6月号、「1946-2005『世界』憲法論文選」所収、岩波書店 06年発行)
 今回の安倍政権による集団的自衛権行使容認の閣議決定は、憲法の定める非戦平和主義の原則を踏みにじるものであり、従って憲法前文によって排除されるべき対象だといえます。今回の事態は、椎名の指摘した「合法的クーデター」ですらなく、琉球新報社説の云うクーデターそのものだといえます。
 椎名は同じ論文の中で、憲法解釈について、次のように指摘しています。
 「どんなに解釈の差が生じようとも、書かれたものは厳然と存在することであり、それについての解釈であるかぎり、どんな解釈も書かれたものを超えることはできないのである。」


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(硬皮膜を破って突き出てきた幼菌は見てたのしく、傘の開いた成菌は半熟卵そっくりで色彩鮮やかです。キタマゴダケ(黄卵茸)。図鑑では、食用可で珍味という。でも、食べる勇気はないので、ただ観賞するだけ。)

 憲法が集団的自衛権の行使を認めていないことは、憲法条文を読めば明らかです。一点だけ指摘します。首相は、集団的自衛権の行使容認によって、「抑止」力を高めると云いました。「抑止」とは、こちらの攻撃能力で威嚇して、相手の攻撃を思いとどまらせること。
 憲法第9条は、次のように「戦争の放棄」(第1項)と「戦力の不保持」「交戦権の否認」(第2項)を規定しています。

  •  1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
  •  2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

     武力の行使とともに武力による威嚇も放棄しているのです。つまり、「抑止」力そのものも明確に否認している。これが、天皇、首相、国会議員、裁判官他すべての公務員が遵守しなければならない日本国憲法の規定です。しかし、首相は声高に「抑止」=「威嚇」する能力の向上を宣言しました。憲法の原理と現実との乖離。両者の間を縮めようとするのではなく、さらに拡大しょうとする政府によるクーデターを認めるわけにはいきません。
  • Img_3223(コナラの枯れ木に、白いゼリー状の物体がありました。シロキクラゲ(白木耳)。中国では、「銀耳」と称し不老長寿の薬として珍重されている由。)

      

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