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2014年9月25日 (木)

9.23 さようなら原発 全国大集会

 一昨日、東京・亀戸中央公園で開催された「9.23 さようなら原発 全国大集会」の集会とデモに参加しました。よく晴れ渡った心地よい秋空のもと、ゆうに1万人を超える人びとが、「川内原発の再稼働をさせない」「フクシマの被災者と原発事故を忘れない」との共通意思を持って、集まりました。2011年の「3.11」から3年6ヶ月、日常生活を送るなかで、フクシマ原発事故の記憶がうすれていくことを、恐れます。私にとって集会とデモへの参加は、「3.11」を記憶しつづけていくために欠かすことのできない行動です。P1090330

 会場に到着した正午過ぎには既に、大勢の人びとが集まっていました。林立する旗や幟には、労働組合や生協のものとともに、脱原発を掲げたものが目立ちます。それは、組織というよりも個人の意思を表わしたものが多いようです。こうした旗や幟の下に結集した人びとの数を凌駕して、そうでない人びとが、集会場の前部を占めていました。高齢者にまじって幼児や 子供をともなった若い人びとの姿が目立ちました。P1090316_2  午後1時から始まった集会では、10人ほどの人びとが7,8分づつ、聴衆に語りかけました。印象に残ったスピーチをいくつか、簡単に紹介します。                    
 第五福竜丸の乗組員だった大石又七さんは車椅子に乗って登壇し、ビキニ水爆実験と福島原発事故はつながっている、アメリカ政府は反核運動を抑え込み内部被ばくの研究をストップさせた、と語りました。奇しくもこの日9月23日は、ビキニ水爆実験で多量の放射能を浴びて亡くなった久保山愛吉さんの60年目の命日でした。P1090315_2  作家の大江健三郎さんは、地域住民の防災計画や避難計画が不十分なままに、川内原発の再稼働が進められている、と政府を非難しました。また、3.11直後の反原発の声が3年半経つなかで弱まってきている、このことが安倍政権の強権的、独善的、反憲法的な政策の背景になっていると厳しく指摘しました。
 広瀬隆さんは、電力会社が2016年の電力自由化をまえに、何が何でも原発を再稼働しなければやっていけない断崖絶壁に立たされている、と再稼働を急ぐ電力会社の事情を説きました。P1090308_2  川内原発の現場からは向原祥隆さん(反原発・鹿児島ネット代表)が登壇し、鹿児島県内の川内原発再稼働阻止の闘いの様子が報告されました。近隣市のひとつで、全住民3万人のうち過半数が再稼働反対署名に応じたという発言に、会場から大きな拍手がわき起こりました。
 韓国と台湾からの発言者も登壇しました。韓国のパク・ヘリョンさん(韓国・脱原発新聞共同代表)は、韓国政府が現在24基稼働中の原発を45基(2035年)まで拡大する計画をしていること、これに対して計画地住民の80% が反対している、と語りました。また台湾から参加したチェ・スーシンさん(台湾緑色公民行動連盟事務局長)は、台湾では2013年春の22万人が参加した脱原発集会や今春の5万人による道路占拠運動によって、政府を第4原発工事中止に追いやった、と報告しました。会場からは、韓国と台湾からの報告に対して、国境を越えた連帯の拍手がまき起こりました。放射能汚染が容易に国境を越えて拡散することを思えば、脱原発運動の国境を越えた広がりは、必然的であり不可欠であることを、二人の発言を聴いて実感しました。P1090333   スピーチの最後は、落合恵子さん。いつもながらの歯切れ良く元気いっぱいの落合節は、1万6千人にふくれ上がった会場を、おおいに盛りあげました。「今年の夏、あの灼熱の日々を、原発ゼロでも生きてこれたことを、私たちは知っています。原発ゼロは、原発で金儲けをする奴だけが困るのだと、私たちは知っています。もう一度怒りましょう。こんな国を子どもたちに残せません!」 デング熱で会場移動を余儀なくされた主催者の恨み?をこめて、落合さんは最後に、「デング熱は怖いけれど、テングになった政権はもっと怖い!」と警告を発してスピーチを終えました。P1090356 集会を終え、亀戸中央公園から錦糸町駅まで、川内原発の再稼動反対とフクシマを忘れないでと訴えながら、デモをしました。秋分の日、道路沿いのショッピング・モールには多くの買物客が詰めかけていました。休日の霞ヶ関界隈のデモで、ほとんど無人の歩道に向ってシュプレヒコールを唱和するのと違い、この日のデモとシュプレヒコールは、多くの人びとに向っての脱原発の訴えとなりました。

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