スズメバチの巣
台風19号の去った朝早く、けたたましく鳴る電話の音に起こされました。台風の被害かと思い急いで受話器をとったら、電話の主はのんびりした声で、「区長さん、スズメバチの巣があるので駆除して欲しい」と告げました。先の台風18号の時には、地区内で小規模のがけ崩れや擁壁が傾くといった被害がでたので、今回もまた、と早とちりしたのでした。
早速現地へいってみたら、なるほど大きな蜂の巣が木の枝にぶらさがり、数匹のスズメバチが忙しく、巣の穴から出たり入ったりしていました。現場は山里の市道に面し、犬の散歩や農作業で近隣の住民が時々行き交っています。10日ほど前には、地区の道路清掃の時、ほんの1,2メートルさきで草刈をしたところでした。危ない危ない。帰宅後、市役所支所に電話し、スズメバチの巣の駆除を依頼しました。 電話に出た環境担当職員は、スズメバチの巣の場所がどこにあるのか、住宅地なのかどうか、それ以外の場所だと対応は困難だ、と云いました。市道に面した人の行き交いのあるところ、と説明すると「それだけでは難しい」と要領を得ません。ではどうすればいいのか、と問うと「市道に面しているので道路担当から電話させます」との返事。その道路担当職員は、電話の後すぐに現場へ来てくれ、みずから蜂の巣を確認したあと、害虫駆除業者へ直接電話することを教えてくれました。 今朝、高崎市指定の害虫駆除業者が、やってきました。中年の男性作業員は早速、白い防護服に網帽子をかぶり、蜂の巣の穴から殺虫剤を噴射しました。しばらくすると数匹のスズメバチが、巣から飛び出してきました。外から帰ってきたスズメバチたちは、何ごとが起こったのかと巣の周りをブンブンと音を立てながら、飛び回ってました。 作業員は、スズメバチが姿を消した後、高枝刈りを使って巣を引き落としました。落下の際、巣の一部が壊れましたが、無事確保。大きさは40㎝×60㎝ほど。 巣の中は、多数穴のあいた円板が7層重なっていました。今年駆除した中ではこれが最大だと、彼はいいました。 穴の中に、スズメバチたちの死骸は、皆無でした。農薬の噴射とともに、巣の外に逃げたのだと思います。 作業員は駆除作業の後、スズメバチの生態について、いくつか教えてくれました。巣は、6月頃から作りはじめ秋にはこれだけの大きさに成長すること、ハチたちの巣の利用は1年で翌年には別の新しい巣をつくること、今回の巣には既にスズメバチたちは少なくなっていたこと、通常は400匹ぐらい営巣していること、そして、みんなスズメバチを怖がるが、刺激せず静かにしておれば、めったに襲われることはありません、と断言しました。 ならば、彼らの巣を撤去せず、スズメバチたちを駆除せずに静かに置いておいてもよかったのかなあ、と思ったときは後の祭りでした。
追記:上の「スズメバチの巣」を書いた翌日の今朝(10/17)、朝日新聞群馬版に「ハチ、高崎高生15人刺す マラソン大会の練習中」という記事が掲載されました。場所は、観音山丘陵北側の住宅地。丘陵南麓の当地からは車で10分ほどの距離。校内マラソン大会練習のため、約5㎞のコースを高校1年生80人が走っていて、内15人が刺されたとのこと。スズメバチは、学校の児童・生徒の集団行動に敏感に反応するようです。やはり、スズメバチは危険です。
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