戦後70周年記念の新年にあたって
伐り開いた竹薮の林床には、リュウノヒゲ(竜の髭)の青い実が、朝日に照って輝いています。まっすぐに伸びた竹竿(ちっかん)を見あげると、幹や枝のあいだを野鳥たちが飛びかっています。静かだった竹林も、すこしにぎやかになりました。シジュウカラの群れです。なかにエナガがまじっています。
今年は、第二次世界大戦終結70周年の記念すべき年です。世界各地で、日本とドイツの無条件降伏の日を中心に、記念式典が開かれるでしょう。その式典は、戦勝と敗戦を愛国主義的に記念する場ではなく、世界の数千万人におよぶ戦争犠牲者を追悼し、再び戦争による惨禍を起こさないことを誓い合う場となることを、心から願います。戦争の記憶が、東北アジアの人びとを対立と分断に追いやるのではなく、謝罪と和解の道に導くことを願わざるを得ません。その第一歩は、わたしたち日本人が踏み出すべきだと思います。戦後70年の記念の日、戦火に倒れた将兵や市民に思いを寄せると同時に、日本人将兵によって暴虐の対象となったアジアの人びとに思いを寄せたい。歴史に真摯に向き合っていきたい。
追記:京都のある女子学生が、私たちに希望の歌 JAPAN CHINA KOREA HAPPYを届けてくれました。こうした「のり」の友好も、大変うれしい。是非、お聴きください。
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