金 時鐘 著『朝鮮と日本に生きる―済州島から猪飼野へ』を読む
従軍慰安婦問題や産業革命遺産群の世界遺産登録など、歴史認識にかかわる韓国からの執拗な日本批判は、どこから来るのでしょうか? それは、韓国の人びとが記憶しつづけ、日本人が忘却してしまった日韓(日朝)の歴史の核心、日本の朝鮮植民地統治にあります。私たちはいま一度、この植民地支配の歴史に、真摯に向き合わなければなりません。〈在日〉詩人・金時鐘氏の回想録『朝鮮と日本に生きる―済州島から猪飼野へ』(岩波新書、2015/2/20刊)は、金時鐘氏の86年間の朝鮮と日本での凄絶な生き方を通して、日本の植民地統治の「業の深さ」を教えてくれます。