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2015年10月26日 (月)

「過去」をどう伝えるか-ベルンハルト・シュリンク著『朗読者』を読む

 今年の1月、戦後70年の節目の年を意識し、エヴァ・ホフマン著『記憶を和解のために-第二世代に託されたホロコーストの遺産』を読みました。ホロコーストからの生還者の両親のもとで育ったエヴァ・ホフマンは、第二世代(生存者の子供世代)が過去と現在を繋ぐ存在として、ホロコーストの意味を次世代に伝えていく使命を、強く自覚します。このテーマを「加害者の子供世代」の立場から追究しているのが、ドイツ人作家・法学者のベルンハルト・シュリンクです。彼の世界的な大ヒット作品『朗読者』を読みました。 

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2015年10月13日 (火)

安保法制反対デモ 敗北と希望と―朝日歌壇の短歌から―

  昨日の朝日歌壇は、9月19日深夜、強行採決され成立した安保法制=戦争法を詠んだ歌が、4人の選者によって多数選ばれました。選者のひとりが明かすように、「こちらがたじたじとなるほど多くの投稿が寄せられた」ためでした。いま、戦争法案に反対した多くの人びとは、この夏の闘いの日々を思い返し、敗北の虚しさを抱きながらも、いまだ希望をなくすことなく、戦争法の発動阻止と廃止によって、戦後、日本社会が持ちつづけてきた非戦平和の道をふたたび、真摯に模索しはじめています。朝日歌壇上に戦争法を詠った歌人たちも、そうした人びとの一群であるはずです。微力ながらもともに闘ったもののひとりとして、これら胸を打つ歌の数々を、ここに記録しておきたい。

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