はじめての「安倍改憲NO!」街頭スピーチ
前回、「安倍改憲NO!3000万人署名」について書きましたが、今回は、署名活動をしている高崎駅東口での街頭宣伝のためのスピーチ原稿を、掲載します。集会、デモその他、全ての政治的なテーマをもった活動で、スピーチをするのは生まれて始めて。憲法学者の伊藤真さんや木村草太さんの講演会での話やネットでの発言から、何とかスピーチらしきものが出来ました。憲法条文を含んだ誠に不慣れなスピーチが、上手くいくかどうか、自信がありませんが。
「安倍改憲No!」街頭スピーチ原稿
1.ご通行中のみなさん、こんにちは。
私は、日本国憲法とその理念を、世界に誇る日本の宝と考えます。だから、憲法の改悪を阻止し、憲法の理念を政治に生かすことが、とても大切だと思います。現在、全国津々浦々で、多くの市民が「安倍9条改憲No!3000万人署名」に取り組んでいます。私も、日本国憲法をなによりも大切なものと考える高崎市民の仲間とともに、この署名活動に参加しました。
「安倍改憲No!」の署名は、内閣総理大臣と衆参両院議長に対して、次の2項目の請願事項を掲げています。
① 憲法9条を変えないでください。
② 憲法の平和・人権・民主主義が生かされる政治を実現してください。
是非、「安倍改憲.No!」の署名用紙に、あなたのお名前とご住所を、力強く署名してください。心からお願いします。 (ジョウビタキは、比較的ヒトを恐れない。富岡市・大塩湖にて)
2.私は、昨年の11月からこの場所で署名活動に取り組んでいますが、通行中の皆さんのなかから何度か、「自衛隊がなければ、誰が日本を守るのか?」という質問を受けました。
この質問には、この署名活動に対する大きな誤解があります。「安倍改憲.No!3000万人署名」は、自衛隊反対運動でもなければ、自衛隊が憲法違反だ、という運動でもありません。戦後70年以上にわたって、日本が海外で戦争をしてこなかった大きな力は、憲法9条の存在と市民の粘り強い運動でした。この署名の目的は、安倍政権が憲法9条を変えることによって、日本がふたたび海外で「戦争をする国」になることを阻止することです。自衛隊が海外へ派遣されて、トランプのアメリカ兵とともに、中東やアフガニスタンで戦闘や兵站に参加し、自衛隊員が敵兵を殺したり殺されたりすることを、なんとしても阻止しょうというものです。
3.「安倍改憲.No!3000万人署名」に賛同する市民のなかには、自衛隊が憲法違反だと考える人もあれば、自衛隊は合憲だと考える人もいます。
自衛隊違憲論の論拠は、憲法9条2項の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」という規定です。日本の軍事力はいまや世界第7位にランクされ、核兵器を保有しない国々のなかではトップとなっています。ドイツやイタリアよりも、軍事力は上位のランクにあるのです。こうした実力を備えた自衛隊が「戦力」に当らないというのは、論理的には無理があります。これが、自衛隊違憲論の考え方です。
一方、自衛隊合憲論の論拠は、憲法13条の「国民の生命、自由、幸福追求の権利」は「国政の上で最大限尊重される」という規定に求めます。もし外国からの武力攻撃があった場合、日本政府は、国民の生命や自由を保護する義務を負っている。外国からの武力攻撃を排除するには、外国に対する実力行使すなわち武力行使が必要な場合がある。「戦力による武力行使を禁止した」9条があるにかかわらず、「国民の生命や自由を保護する政府の義務」を定めた13条によって、実力組織である自衛隊が、例外的に認められる。これが、自衛隊合憲論の根拠で、政府が従来とってきた立場です。
こうした憲法9条による違憲論と13条による合憲論という日本国憲法のなかの相矛盾した条文間の緊張関係のなかで、例外的に日本への武力攻撃を排除するための武力行使、自衛のための必要最小限度の武力を持つこと、つまり個別的自衛権の行使については、それを合憲だとする国民的コンセンサスが、育まれてきたのだと思います。
ところが安倍政権は、外国からの要請に基づき、その外国の防衛を援助する権利である集団的自衛権、つまり自衛隊が海外に行って外国軍とともに軍事行動をすることを、2015年の9月19日、安保法制のなかで法制化しました。私たちがそれを「戦争法」だとして反対したのは当然のことでした。海外での軍事行動をともなう集団的自衛権は、憲法9条はもちろんのこと、「国民の生命・自由・幸福追求の権利の保護」を規定した13条からも、到底、合憲とすることは出来ません。安保法制は明らかに憲法違反です。自衛隊の存在を違憲とする人も合憲とする人も、圧倒的多数の国民が、集団的自衛権を認めた安保法制に反対或いは疑問を持ち、憲法9条の改正は必要ない、と考えています。 (1月末になってメジロが、庭に姿を見せ始めた)
4.では憲法9条が改悪され、自衛隊が9条に明記されれば、何が起こるのでしょうか?
①まず第1に、現在の9条の持っている「自衛隊違憲論」と13条に依拠した「自衛隊合憲論」という憲法内部の緊張関係が崩れ、従来の「自衛隊の活動は本当に自衛のためか」あるいは「必要最小限か」という問い掛けが消えてしまいます。国家や社会の軍事化の抑制機能が消えることを意味します。
② 第2に、自衛隊の活動範囲の拡大、防衛費の増大、軍需産業と軍事研究の歯止めなき育成、武器輸出の推進、学校での国防教育の強制、自衛官募集の強化など、日本社会が色濃く軍事色を強めていくことになります。
③ 第3に、こうして日本社会で国防意識が醸成され、軍事優先となるにつれ、次に
現実となるのは、徴兵制の復活であり、核兵器の保有であり、そして数々の基本的人権の侵害の日常化ではないでしょうか。これはもう、軍国主義日本の復活です。 (碧空になにを見つめるのか、カワラヒワ2匹)
5.ご通行中のみなさん。安倍自民党による9条改憲の本質を見極めたうえで、何としても国会で改憲発議を阻止しましょう。そのために是非とも、「安倍改憲No!」の署名用紙に、あなたのお名前とご住所を、署名してください。心からお願いいたします。
私の発言はこれでおわり、次の方にバトンを譲ります。ご静聴、ありがとうございました。
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