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2019年7月26日 (金)

北ドイツ周遊記-クヴェードリンブルク-

7/3 クヴェードリンブルクQuedlinburg

   ライプツィッヒからクヴェードリンブルクへ行く途中、二つのビックリがあった。その一つは、高速道路へ入る前の一般道を走っていた時、なんと制限速度が100㎞/hと表示されていた。片側1車線の対面通行の区間である。高速道路が有料でないため、高速道と一般道の区別が、日本ほど明確ではないのだが、それにしてもこのスピードには驚いた。また、高速道路では130㎞/hで走る娘の車を、一瞬のうちに抜き去っていく猛スピードの車が少なくなかった。アウトバーンでは180㎞/hが普通だとは事前に聴いていたが、さすがに180㎞/hは速い。

   もうひとつのビックリは、ドイツの高速道路沿線での風力発電のための風車の数の多さである。今回の旅行初日の、オランダ・ドイツ国境沿いを北上するコースでも、広大な麦畑に多くの風車が建っていたのだが、ベルリン-ライプツィッヒ間とライプツィッヒ-クヴェードリンブルク間の風車の数はそれを凌駕し、驚くほど多くの風車が林立していた。ドイツ社会の脱原発・再生エネルギーへの転換の意欲の強さを感じた。

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   クヴェードリンブルクは、ドイツ最古の木組みの家並で有名な町だ。第2次世界大戦で全く被害を受けなかったため、この町はドイツ中・近世の雰囲気を残しており、ドイツ人の心の故郷として人びとから愛されてきた、という。町を歩いていると、木組みの家が軒を連ねる石畳みの道に、思わず惹きつけられる。いくつかの古い家には説明プレートが掲げてあり、15,6世紀の年代が目を引く。14世紀にはハンザ同盟に加盟し、商人たちは町の繁栄を誇った。今回の旅行では、「ドイツの美しい道」との出会いをひそかに期待してきたのだが、リューベック同様ここクヴェードリンブルクの町も、期待に応えてくれた。

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   旧市街を抜けて城山Schlossbergへの坂道を登った。そこには、城砦のような聖セルヴァティウス教会Schlossmuseum Quedlinburgがあった。優雅さよりも堅固さを強く感じさせる「ごつい」教会だ。ドイツ最初の王、ザクセンのハインリッヒ(在位919-936)と初代神聖ローマ皇帝オットー1世ゆかりの地である。ハインリッヒとオットー1世は、親子2代にわたって、ゲルマン諸族を結集してハンガリー平原の騎馬民族マジャール人と戦い、激戦の末敵を壊滅させた。そのハインリッヒと妃マティルデが、この教会の地下の霊廟に眠っている。この地が、「ドイツ史の揺りかご」と呼ばれるゆえんである。

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   高台になった教会の前庭から、クヴェードリンブルクの町を見下ろした。さび色をした瓦屋根が連なり、それらが教会や役場の尖塔を包み込み、見事な景観を作り出している。ドイツの街並みの美しさはつとに有名だが、いまここに実見しつつ、そのことを十分に納得した。手前の屋根の上では、煙突掃除人が暖炉の煙突にたまった煤を取り除く作業をしていた。ヨーロッパでは、この煙突掃除人は幸運を運んでくる、という逸話があるそうだが、ドイツではヒトラー政権時代、「煙突掃除職人は生粋のドイツ人に限る」という煙突掃除法が制定され、個人の家庭の監視も兼ねていたそうだ。
 教会の前庭には、
かわいいキューピッドたちのワインを飲んだり踊ったりする姿があった。

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