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2023年1月19日 (木)

富岡『世界』を読む会・1月例会の報告

 富岡『世界』を読む会・1月例会は、1月17日5人が参加して開催されました。
 今月のテーマは、『世界』1月号から、①日朝・日韓関連のインタビュー、論文と、②兼子歩『中絶論争が見えなくしたもの』の二つでした。

Ⅰ.日朝・日韓関係インタビュー、論文について
 田中 均インタビュー『日朝首脳会談20年 失われつつある東アジアの展望』を中心に、蓮池薫『「拉致問題」風化に抗して』、権 容奭(クォン ヨンソク)『ルック バック 2002』および寺島実郎『脳力のレッスン 戦後民主主義と安倍政治』の3本の論考を取り上げた。
 田中 均氏の外交の要諦は「大局観に基づく目的意識を持つこと」であり、東アジア外交の大局観と目的は、「日本の安全保障の原点でもある朝鮮半島の平和と安定を築くこと」との発言は、参加者全員が納得した。そして、こうした外交を展開した実例として金 大中氏の対北朝鮮外交および対日外交に現出していたことを確認し合った。
  金 大中氏は1998年から2003年の5年間韓国大統領を務めたが、就任後すぐに小渕恵三氏と対談「日韓パートナーシップ宣言」を発した。小渕首相の日本の植民地支配に対する痛切な反省をうけ、金大統領は日韓の和解と未来志向の関係樹立を目指すと発言、新たな日韓関係への期待をふくらませた。また2000年南北首脳会談を実現し、さらに小泉首相に日朝関係改善のための訪朝を促したといわれる。2002年の小泉訪朝の背景に、金 大中大統領の対北朝鮮「太陽政策」があったことを知る。権論文は、この間の事情を詳細に教えてくれる。
 権氏の「幻の2002年体制」については、02年前後の未来志向の日韓・日朝・南北関係での雪解状況が、20年後の現在からすると信じられないゆえに、「あの頃はよかったなあ」の感慨を催すだけだ、との指摘があった。一方、歴史を振り返り何故2002体制が幻に終わったのかの分析は重要だ、との指摘もあった。9.11後のブッシュ政権は、北朝鮮を「悪の枢軸」呼ばわりし、東アジアで生じた新たなダイナミズムを食い止めってしまった。ブッシュ政権と日韓の右派勢力による逆風と反動である。02年に沸き起こったダイナミズムを如何に再生し、東北アジアの平和と安定を取り戻すことが厳しく求められている。

Ⅱ.兼子 歩『中絶論争が見えなくしたもの―アメリカ合衆国の生殖の政治』
 「アメリカにおける中絶論争が、22年中間選挙の最大の争点になった」ことに対し、日本から見ているとなかなかわかりづらい、との感想が出された。アメリカにおけるキリスト教右派やカトリックの政治的な影響の大きさが実感できないのだ。
 中絶禁止による胎児の生命の権利保護を訴える「プロライフ(生命派)」が、汚染水による流産・死産には無関心という日和見主義は、あきれるばかりだ。

Ⅲ.2月例会の案内
1.開催日・場所:2月15日(水)14.00-16.00時 吉井町西部コミュニティセンターにて
2.テーマ:『世界』2月号 ①坂田雅裕『憲法九条の死』,蟻川恒正『「解釈変更」という擬態
              ②沖縄対外問題研究会『「沖縄返還」50年を超えて」
               サブ 福田康夫『習近平の中国とどう向き合うか』

                            以上

             

 

 

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