富岡『世界』を読む会・5月例会の報告
富岡『世界」を読む会・5月例会が、5月17日(水)14.00-16.00時、高崎市吉井西部コミュニティセンターで、5人の参加で開催された。テーマは『世界』5月号から、李鐘元・青木理インタビュー『日韓逆転のなかの徴用工問題"解決策"』とユルゲン・ハーバーマス稿『交渉の勧め』の二つ。
1.李鐘元・青木理インタビュー『日韓逆転のなかの徴用工問題"解決策"』
尹錫悦大統領の徴用工問題"解決策"は、唐突感があり今後に禍根を残すことが懸念されるものの、経済成長と民主化の前進による国民的自信をバックに、韓国社会がダイナミックに動いていることを表していると感じた、との感想を共有し合った。日韓逆転のなか、日本人が韓国に強く出るのは、「日本の弱さの表現」との李氏の指摘に納得した。
徴用工問題の根っこは、65年日韓基本条約の日韓間の解釈の相違にある、との指摘は重要だ。団塊の世代前後の参加者は、学生時代の最初のデモ参加が日韓基本条約反対運動だった、と思い出を語った。
2.ユルゲン・ハーバーマス稿『交渉の勧め』
ハーバーマスは、西側軍事援助のタガが外れ第3次世界大戦への敷居を踏み越えざるを得なくなることを、深刻に懸念している。そのため、「2022年2月23日以前の情況への復帰」を前提に、交渉を進めるべきだと主張する。そして、当初から西側がこのことを明確に唱えておれば、交渉への道を開くきっかけになったかもしれない、と指摘。これに対して参加者から、「本当にそうだろうか」と疑問が出された。また、「面子を保った妥協」や「ウクライナが負けるわけにはいかない VS ロシアに対する勝利」等のハーバーマスの議論に、分かりづらく非現実的との感想が出された。
混迷を極め市民や兵士の犠牲者がとどまることを知らないウクライナ戦争を如何にストップさせるか。スパッと竹を割ったような解決策は、簡単には見つからないだろう。ただ日本のメディアが、停戦交渉についてほとんど取り上げることなく、西側からの武器援助とウクライナVSロシアの戦闘の攻防のみに関心を寄せていることに、強烈な不満を感じる。
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