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2024年2月22日 (木)

富岡『世界』を読む会・2月例会の報告

 富岡『世界』を読む会・2月例会が2月21日(水)14.00-16.00時、高崎市吉井町西部コミュニティセンターで4人の参加で開催された。今回のテーマは、特集1「リベラルに希望はあるか」から①小熊英二『戦後日本の「リベラル」と平和主義』と②石川健治『「世界」の起源』の2論考と、自民党パーティ券問題を論じた➂上脇博之『安倍派パーティ券事件の深層』と三浦まり『政治とカネ もはや政治改革は不可欠』の2論考、計4論考だった。

Ⅰ.小熊英二『戦後日本の「リベラル」と平和主義』、石川健治『『世界』の起源』
 小熊稿は、革新・リベラルの戦後史を丁寧にフォローしていて、必ずしも定義のはっきりしない「リベラル」という言葉の理解を深めた、との感想が出された。それは、「護憲」「平和主義」「反保守」として語り継がれた、と指摘されている。
 参加者の一人は、敗戦時陸軍中佐だった伯父が戦後、『世界』を創刊号から読みつづけ本棚にはバックナンバーがずらっと並んでいた、という思い出を語った。オールド・リベラリストともいえる伯父を間近に見て育ち、それ以来の『世界』愛読者だ、とリベラル左派の自覚と矜持をもって熱く語りました。1970,80年代、『世界』『展望』『思想の科学』等への投稿者とその論稿を、畏敬の念をもって読みつづけていたと、『世界』50年来の愛読者の参加者が語った。

Ⅱ.上脇博之『安倍派パーティ券事件の深層』、三浦まり『政治とカネ もはや政治改革は不可欠』
 安倍派パーティ券事件の告発者・上脇博之氏の貴重な論考だ。政治資金規正法は、お金の出入りの真実を書くことを求めている。不記載や虚偽記載は、憲法論でいえば「知る権利の保証」を侵害している、と指摘する。憲法21条の言論と表現の自由の基盤としての「知る権利」が侵されたのだ。
 また、今回の裏金事件は政党助成金制度の失敗であり、その政党助成金はそもそも、憲法違反である、と断じている。国民の税金が自己の支持しない政党に配分されるという政党助成金制度は、憲法19条の
国民の思想・良心の自由や政党支持の自由を侵害するものだ。連日報道される「安倍派パーティ券事件」を憲法論の立場から、明確に憲法違反と断じているのは、上脇氏を置いて他にいない。
 三浦まり氏の二つの提案—①記載漏れ総額の倍の政党交付金を返済させること、②候補者の男女比が同率に満たない場合、一定割合で政党交付金を減額すること―には耳を傾けたい。

Ⅲ.3月例会の予定
1.日程・場所:3月27日(水)14.00-16.00時、高崎市吉井町西部コミュニティセンターにて(注:3月は第4水曜日)
2.テーマ:特集1さよなら自民党から①上野千鶴子『安倍政治の罪と罰』②星浩『安倍派「構造腐敗」が招く岸田政権の終焉』➂三浦
まり『金権体質をしつこく、問い続けよう』の3論考、そして④石川幹子『危機に瀕する外苑いちょう並木』
                                    以上

 

 

 

 

 

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