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2024年8月24日 (土)

富岡『世界』を読む会・8月例会

 富岡『世界』を読む会・8月例会が、8月22日(木)14.00-16.00時、吉井町西部コミュニティセンターにて、3人の参加で開かれた。テーマは、①青木理『警察腐敗 内部告発者はなぜ逮捕されたのか』と、「特集Ⅰ.戦争をとめる」から、①下谷地奈緒『なぜ国際刑事裁判所は、ネタニヤフ首相の逮捕状を請求したか』、➁カリム・カーン インタビュー『法を平等に適用しなければ、種としての人類が崩壊する』、および関連論考の➂浜中新吾『ネタニヤフの背後にあるもの』の3稿だった。

 Ⅰ.青木理『警察腐敗 内部告発者はなぜ逮捕されたか』
 兵庫県知事によるパワハラ、おねだり、公金不正支出等に対する県議会・百条委員会のニースは、ほとんどのメディアによって連日報道されている。一方、鹿児島県警による警察官性加害事件等の隠蔽問題については、告発者逮捕のニュース以降、ほとんど報じられていない。ともに公益通報制度の根幹である「通報者保護」にかかわる重要な事件であるのにかかわらず、だ。「兵庫」と「鹿児島」の違いは、前者が懲戒処分後公益通報者を自死に追いやったのに対して、後者は警察権力を使って公益通報者を逮捕・起訴したことである。ともに極めて深刻な人権侵害である。
 ともに腐臭漂う組織内権力犯罪にかかわらず、一縷の望みがかすかに見える。県庁・県警内部から公益通報者が出たこと、つまり自浄作用の可能性がほの見えたことだ。しかも、一般職員とともに幹部職員が積極的に関与したのである。メディアと世論はなんとしても、かれらを擁護し汚名を晴らし、人権を回復させなければならない。

 Ⅱ.特集 戦争をとめる — 国際刑事裁判所 ICC への期待 ―
 イスラエルのガザ攻撃をストップさせ、如何に停戦を実現するか。国連安保理が機能不全となるなか、国際社会の力量が試されている。国連機関の国際司法裁判所 ICJ は、南ア共和国によるジェノサイド条約違反提訴に基づき、イスラエルに対して即時停戦を命令した。また国際刑事裁判所 ICC 
は、ハマス幹部3名及びネタニヤフ首相・ガラント国防相の逮捕状を請求した。しかし、ICJとICCの行動にかかわらず、停戦の見通しはたっていない。絶望感に襲われる。それだけに、ICCのカリム・カーン主任検察官の「ICCはニュルンベルク裁判の遺産」との認識と「法を平等に適用しなければ、種としての人類が崩壊する」という警告には、力強く励まされる。また、日本がICCの最大資金拠出国であり赤根智子・裁判所長を出しているというICCに対する積極的な立ち位置と、日本の中東外交が必ずしも米国べったりでないという歴史的経緯から、日本国政府の停戦努力への積極的コミットメントを期待したい。

 Ⅲ.9月例会の予定
1.日程・場所:9月19日(木)14.00-16.00時、高崎市吉井町西部コミュニティセンター2F学習室
2.テーマ
(1)特集2 癒えない傷、おわらない戦争から ①中村江里『戦争のトラウマを可視化する』、➁黒井秋夫✕藤岡美千代『戦争で壊れた父親と向き合う』
(2)津田環『「セクシー田中さん」とジェンダー問題』
                               以上

 

 

 

 


 

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