富岡『世界』を読む会・1月例会の報告
富岡『世界』を読む会・1月例会は、1月15日(木)14.00-16.00時、高崎市吉井町西部コミュニティセンターにて、5人の参加で開催された。テーマは『世界』1月号から、Ⅰ.アメリカ政治関係の ① 土屋和代『「ノー・キングス」デモの水脈、② 渡辺将人『何がマムダニをニューヨーク市長に押し上げたか』および ③ 阿部幸大『戦争国家アメリカの平和 — 第1回 戦争なくして平和なし』の3論考と、Ⅱ.日本政治関係の、④ 伊藤昌亮『「曖昧な弱者』とその敵意』だった。
Ⅰ.アメリカ政治関係論考について
「トランプのアメリカ」とは? 反移民・反イスラム・反DEI・レイシズム・セクシズム・権威主義的・反法治主義的・帝国主義的・侵略主義的、etc・・・。土屋は、こうしたトランプのアメリカに抗う草の根運動を、20世紀末まで遡って概観し、これらの運動の結節点として「ノー・キングス」デモを位置づける。このデモにアメリカ全土で700万人もの人びとが参加したということに対して、参加者は一同に驚き、アメリカの民主主義の底力を思い知ったと感想を述べた。そしてこうした草の根運動の延長上に、マムダニのニューヨーク市長当選があったことを、確認しあった。
渡辺の紹介するマムダニ像は、アメリカ社会のもっている多様性(人種的・民族的・宗教的)を見事に体現しており、しかもマムダニはそれを隠すことなく選挙戦を戦ったことを「外国性の壁」を突破したと筆者は評価する。またサンダースの民主社会主義の継承者を得たとの指摘に、マムダニはアメリカ社会の希望の星だ、との感想が出された。
反トランプ・デモに700万人結集するアメリカ社会と、2015年の戦争法反対デモ10万人以降すっかり鳴りをひそめる日本社会の相違について、感想を述べあった。私たちの日常に如何に、「政治」を復活させるか、これが問題だと納得した。
リベラルと保守、民主党と共和党、そして過去と現在、アメリカ社会に一貫して通底しているのが、「平和のための戦争」(阿部)だとの指摘は重い。オバマのアメリカもトランプのアメリカもともに、「平和のための戦争」を貫徹している。阿部の連載記事を注目していきたい。
Ⅱ.伊藤昌亮『「曖昧な弱者」とその敵意』
「曖昧な弱者」とは? 円安・株高のなか、物価上昇と低賃金に苦悩する不安定就労者や、経営難に陥る中小事業者など、失業者でもなく高齢者でもなく生活保護受給者でもない、これまで守られることのなかった「ロウアーミドル層」こそが、「曖昧な弱者」である(伊藤)。こうした「曖昧な弱者」が抱きがちな憤懣を政治的に利用し、とりわけ外国人という「明白な弱者」への敵意を煽ることで支持をうることに成功したのが「参政党」だとの指摘は、説得的だ。リベラルは如何に、「曖昧な弱者」の支持を得ることができるだろうか、の問いかけは重い。
Ⅲ.2月例会の予定
1.日程等:2月19日(木)14.00-16.00時、吉井町西部コミュニティセンターにて
2.テーマ
(1)『世界』2月号から 「特集1 台湾という問い」① 駒込武『内なる帝国主義の克服に向けて』、② 洪郁如『「日本時代」 を理解すること。
(2)『世界』1,2月号から ドミニク・チェン 連載『非人間とレッスン』① 第1回 微生物を巡るテクノロジーとテクニック、② 第2回 想像的に他種になる。」
以上
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